中国で少なくない“ワクチン接種拒否”~日本に与える影響は
公開: 更新:
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月9日放送)に戦略科学者の中川コージが出演。街角景気が3ヵ月連続で悪化したニュースについて解説した。
街角景気~3ヵ月連続で悪化
内閣府が2月8日に発表した1月の景気ウォッチャー調査によると、街角の景気の実感を示す現状判断指数は、前月と比べ3.1ポイント低下の31.2となり、3ヵ月連続で悪化した。新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の再発出で経済活動が停滞したことが響いている。
飯田)小売店の店員さんやタクシーの運転手さんなどを対象に聞いたということですが、こうなりますよね。
中川)小売りやサービスに直面する方に聞いたら、これだけテレビでもラジオでも景気が悪いとやっていれば、そういう気持ちにもなりますよね。
飯田)ワクチンなりで、世の中の空気が変わって行かないと変わらないということですかね。
中川)1年近く前に先に(感染から)明けた中国では、気分が上がってしまって、みんなこれから「いい方向に行けるのではないか」ということで、体制批判も沈静化してしまったくらいの感じはありますからね。気分の問題は大きいですよ。
十分な量のワクチンがあるにもかかわらず打たない人が少なくない中国
飯田)中国は沈静化したとも言われていますが、一方では中国製のワクチンもいろいろと出て来ています。いまどうなっているのですか?
中川)中国は中国の製造したワクチンを打つという体制でやっていて、香港は香港でmRNAワクチンなので、切り分けているのですが、大陸内でも打てるようになって来ているようです。でも、全員が全員ワクチンを打ちたいというわけではないのです。この状況は日本の先行指標になると思います。中国では、誰でも簡単にWeChatという日本のLINEのようなメッセンジャーアプリで申し込むだけで打てるような状況なのに、打っていない人がかなり多いのです。
飯田)それでは余っているということですか?
中川)年間生産量で言うと、中国政府が発表しているところだけでも、数十億くらいのワクチンを接種できる用意があるのです。14億人しかいないのに数十億回打てるということは、ワクチン外交をやろうとしているということです。いずれにしても十分ある状況にはなっていると思います。
中国でワクチンを打たない人がいるという状況は日本の先行資料に
飯田)そのように打てる状況であっても、ワクチンを打たない人がいるということは、何か理由があるのですか?
中川)北京の近くに住む国営企業の幹部や大学教授などに「なぜ打たないのか」と聞くと、「沈静化しているのに、自分が人柱になる必要はないよね」と言います。「ワクチンがあっても打たない」という状況は、今後日本でも起こり得る状況なのかなというところは、心理的な先行資料として見ました。
飯田)そのように自由に選択できる人は、「積極的に打たなくていいだろう」ということですね。
中川)自分たちにそれほど罹患のリスクがないのであれば、わざわざ打つことはないと思っているのでしょう。インフルエンザのように、打つか打たないかは個人の判断ということになって来ると、「新型コロナはそこまで恐れるものではない」というところが、みんな何となくあるようですね。
PCR検査で陽性になった人には打つように要請
飯田)一方で北京近くの石家荘市のように感染が拡がって「これを抑えなくてはならない」というところでは、強制的に「打て」ということになるのですか?
中川)PCR検査を1千万人の人口に対して、1週間くらいで全員に行って、スクリーニングが出て来て、陽性になった人たちだけに打つというように、かなりシステマチックにできるのです。「感染していない状況で打て」ということに対して人民は批判をするけれども、スクリーニングをして陽性の人に打つということには、人民からすれば、それは納得できることなので、人権抑圧のなかでの強権発動ということは、このケースに関してはそれほどないのかなという気はします。
番組情報
忙しい現代人の朝に最適な情報をお送りするニュース情報番組。多彩なコメンテーターと朝から熱いディスカッション!ニュースに対するあなたのご意見(リスナーズオピニオン)をお待ちしています。