キャスターの辛坊治郎氏が2月8日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。中国のテレビの“検閲体制”について解説した。
2019年12月に中国の武漢で原因不明の肺炎が広がっているとSNSでいち早く警鐘を鳴らしていた武漢の医師・李文亮さんが去くなってから2月7日で1年を迎えた。中国のSNSでは哀悼と称賛の声が広がっているが、中国国内では李さんの功績を伝える報道はほとんど見られなかった。
辛坊)まず武漢の医師の李文亮さん、世界でいちばん最初に気が付いた人ですね。気が付いたタイミングでは新型コロナじゃなくてSARSっていう、前に流行ったものがもう1回流行ったのではという疑いを持たれて、その後亡くなられたということです。この年で亡くなるケースはそんなに多くないので、何かあったのではないのと見る動きもありますけれども。
いま現行で中国国内では李さんの功績を伝える報道はほとんど見られませんでした。ほとんどどころではなく、全くないはずですよ。なぜか。それがわかるのは、NHKの国際放送というのがあるのです。NHKの国際放送のなかで、この李さんに関してのニュースを伝えたところ、中国国内ではその部分だけ「電波障害です」みたいなことになって映らなかったというから。
なぜそんなことができるのかというと、世界の各国がリアルタイムでそのまま家庭に届けていますが、中国では検閲官みたいなのがずっと見ていて、例えば日本からNHK国際放送やりますと、10秒とか15秒とか、「ディレイ」というのですが、遅らせるのです。だから検閲官が先に見て、これはまずいと思ったらスイッチを押すと前にさかのぼって全部見られなくなる。そういうシステムができているのです。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)