ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月10日放送)に内閣官房参与で数量政策学者の高橋洋一が出演。ファイザー製の新型コロナワクチン1瓶あたりの接種回数を6回から5回に見直すことが明らかになったというニュースについて解説した。
ファイザー製ワクチン~1瓶あたりの接種回数、6回から5回に見直し
アメリカ製薬大手ファイザーが開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、厚生労働省は2月9日、1瓶あたりの接種回数を6回から5回に見直すことを明らかにした。国が確保した注射器では5回しか採取できないためで、想定している7200万人の接種人数も減る可能性がある。
飯田)瓶のなかに入っているワクチンを、生理食塩水で薄めて使うということでしたが、接種回数が6回から5回に減ってしまうということです。
なぜ、いままでわからなかったのか
高橋)注射器の問題だそうです。日本へのワクチン供給は、先進国のなかで遅れていると言われています。その理由は、感染が激しい国から先に供給されるためです。現在、経済協力開発機構(OECD)のなかでは5ヵ国でまだ接種が始まっていませんが、そのうちの4ヵ国は感染が低く、そこに日本が入っています。オーストラリアもニュージーランドも低いので遅れます。それは感染が低いということで理屈が立つのですが、遅いということは、他の国がやっているところを見ているということです。注射器についても、他の国では既にやっているのです。そこに行けば、注射器の違いについてもわかるでしょう。なぜ、ここまでわからなかったのか、不思議ですね。
飯田)本当ですよね。シリンジと呼ばれる筒の部分の仕組み上、5回しか接種できないようです。
高橋)他の国はどうなっているのでしょうかね。他の国もそうだったら、「すぐ直せ」ともっと前に言ってくれればよかったのですが、何なのでしょうか。
2020年5月の第2次補正予算案が組まれたときからわかっていたこと
飯田)前々からワクチンの話はありましたよね。
高橋)去年(2020年)の5月の第2次補正予算にも入っています。そこから準備しているはずです。
飯田)そんなに前からですか。
高橋)こんなことはわかっている話ではないですか。
飯田)あの当時、すでにファイザーやビオンテックなど、いろいろなところが開発していました。
高橋)いろいろな順番や治験があり、年内(2020年)にはできそうだと。あのときはアメリカ大統領選の前と言われていたくらいです。その半年前の5月から契約していたわけでしょう。その実務はそこから動いているはずです。去年の12月くらいからいろいろなところで打ち始めているので、少し見ればわかるでしょう。
「1瓶でどれだけ接種できるか」ということは肝となる話
飯田)打ち方について、かかりつけ医でも打てるようにと練馬区モデルが出ていました。練馬区モデルをつくったお医者さんなどに取材をすると、「最小ロットで1瓶あたりいくつ打てるかが、いつまで経っても厚生労働省から出て来なかった。そのため、“会場の大きさの違いによって、どれくらい必要か”という計算が立たなかったのです。ようやく出て来たので、“練馬区でこういうモデルがつくれるね”という話を始めたら、いきなりネットニュースに抜かれた」と言っていましたが、この接種回数の話は肝ですよね。
高橋)肝でしょう。何回打てるかによって、人をどれだけ配置するか、という話にもなります。また会場をどうするかとか。
飯田)1日あたり何人に打てるかという話ですよね。
高橋)そのときに、「注射器が違う」といまさら言われても、「どうなっているのか」と正直思いました。基本的な話として、日本の注射器が特殊なのかと思いました。
番組情報
忙しい現代人の朝に最適な情報をお送りするニュース情報番組。多彩なコメンテーターと朝から熱いディスカッション!ニュースに対するあなたのご意見(リスナーズオピニオン)をお待ちしています。