G7オンライン会議~日本にとってはいいチャンス
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月18日放送)に内閣官房参与で外交評論家の宮家邦彦が出演。2月19日に行われるG7のオンライン会議について解説した。
G7、新型コロナ対応策などを2月19日にオンライン会議
日本も参加する先進7ヵ国(G7)は、2月19日にオンラインで首脳会議を開く。7ヵ国の首脳による会議は、2020年4月以来。新型コロナウイルスへの対応や各国のワクチン普及策などを議論する予定だ。
飯田)2020年はアメリカが議長国で、2021年はイギリスということで、直接の対面も6月に予定されています。
宮家)新しい人も多いですし、とりあえずはご挨拶ですね。インドもオーストラリアも韓国も招待するということですが、これは明らかに「民主主義国家でなければダメだよ」というメッセージです。それは当然のことですね。G10にするかということはともかくとして、ロシアなどはまだまだですね。
飯田)一時期はG8などと言って入っていましたが。
宮家)民主主義をやってもらわないと困ります。中国に関しては問題外です。このような形で民主主義国家が集まるということは、いいことだと思います。
各国総力戦でつくるサミットにおける合意文書
飯田)新型コロナ対策などを協議ということですが、それ以外にも、対応しなければいけないことは山積しています。
宮家)いまは2月ですが、そろそろ、各国の役人が一生懸命、文章づくりを始める時期です。1つひとつ段階を踏んで、本来あるべきサミットに戻していただきたいと思います。
飯田)合意文章をつくるのは、各国首脳の個人代表、シェルパというような言い方をしますが、外交の官僚のある程度のポジションにある人が代表についてやる、というような形ですか?
宮家)昔は経済サミットだったのですよ。
飯田)もともとオイルショック対応でしたよね。
宮家)ですから、シェルパというのは、日本で言えば、経済担当の外務審議官がやっていたのですが、10年ほど経ってから政治問題も議論するようになりました。最初の東京サミットのときに私は新入生だったのでよく覚えていますが、政治の問題については、経済の外務審議官だけでは無理なので、全省的にやっていたと思います。その意味では総理をトップに出して、その周りではいろいろな人が知恵を出せるように準備をしておくという、各国ともそのような総力戦ですね。
日本にとってもいいチャンス~「自由で開かれたインド太平洋」を盛り込んで行く
飯田)19日にオンラインでの首脳会議がありますが、それに先立つ形で個別での電話会談をいろいろなところでやっています。16日の夜には、菅総理とジョンソン首相が行いました。
宮家)議長国と話をするのは当然なのですが、やはりイギリスというのは大事な国です。ヨーロッパなのだけれどヨーロッパではない。大陸とは違う海洋国家。そして、日本と非常に立場が似ています。TPPへの加入を申請していますし、インド洋、西太平洋に対する関心も高まっています。
飯田)そうですね。
宮家)より多くの人が、開かれた自由な国際秩序というものに関心を持つということは大事なので、その意味でも、日本にとってはいいチャンスです。G7に対して同じメッセージを言う。そして場合によっては、この関連で韓国ともいろいろと話ができればいいですね。
飯田)日本としては、「自由で開かれたインド太平洋」というものを掲げ続けている。この間の日英の首脳会談でも出して来たし、G7でもこれを盛り込んで行くということは大きな方針になりますよね。
宮家)「インド太平洋」については、バイデンさんも就任前には別の言い方をしていましたが、落ち着くところに落ち着いたのは当然だと思います。やはり言い方を変えたら、間違ったメッセージを送ることになりますから、そこは米側もわかってくれたのでしょう。日本がやるべきことはたくさんあると思います。
「クアッド」としての動き
飯田)この先の話なのですが、G7として、ミャンマーに対しては外相で声明を出しました。日本としては、アメリカ、オーストラリア、インドというクアッドの枠組みに、外相としてはやっていますが、今度は首脳レベルでもやろうというのはありますよね。
宮家)そうですね。それも自然な流れでしょう。あれだけ外相がコロナで忙しいのに東京までやってきたのですから、最終的には首脳レベルで合意をすることが大事なのだと思います。
飯田)インド、オーストラリア、韓国を招くということは、クアッドの首脳としては丁度メンツが揃いますね。
宮家)このようなことを繰り返すことが大事だと思います。一気に何かを決めようということよりも、常にこのような人たちが集まって、そして「国際世論をつくっているのだ」という方向に動いて行けばいいと思います。
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