吉田悠希「愛の避雷針」~坂道にズーム そこまで推すか!~
乃木坂46、日向坂46、櫻坂46……“坂道シリーズ”を愛する、セント・フォース随一のアイドルオタク・吉田悠希が、“今推すべき楽曲”をグループの魅力とともにご紹介していきます
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坂道オタクの吉田悠希です!
このコラムでは、今、推すべき楽曲を、坂道グループの魅力と共にご紹介していきます。
第2回目にご紹介するのは、毎週水曜日の『乃木坂46のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)でもお馴染み、乃木坂46です。
乃木坂46といえば誰もが知っている国民的アイドルグループであり、デビューしてから9年目になる、坂道シリーズ最年長です。2012年にデビューシングルとして発表した『ぐるぐるカーテン』から、もう9年も経つのか……と感慨深くなるとともに、月日の流れの速さに怖くなったりもしますが(笑)
今回は、9周年そしてバースデーライブ(※通称:バスラ)乃木坂46『9th YEAR BIRTHDAY LIVE』を控えた、乃木坂46の原点を振り返りつつ、『帰り道は遠回りしたくなる』という楽曲と共に、グループが生んだ新たな“センターの意味”にズームしたいと思います。
■AKB48のライバルとしての誕生から、坂道シリーズの誕生まで!
今や国民的アイドルグループとして、たくさんの方に知られ、愛されている乃木坂46ですが、結成当時はAKB48が大人気。AKB48の公式ライバルとして結成された乃木坂46のスタートは「AKB48の5年間に5か月で追いつけるのか?」というテーマが加えられた、なんとも先の見えないものでした。
デビューシングルのカップリング曲にはAKB48の『会いたかった』に対抗して『会いたかったかもしれない』という楽曲が収録されたり、劇場を持ち、総選挙があるAKB48に対して、劇場を持たず、代わりに演劇『16人のプリンシパル』における配役でメンバーの序列を決めていくシステムをとったりと、なにかと“AKB48に対して乃木坂46はこう!”みたいな状態で活動が進んでいたのが、初期の乃木坂46の印象です。AKB48 vs乃木坂46の流れに変化が起きたのは、続く坂道シリーズ「欅坂46」の誕生でした。このタイミングで、AKB48との対立構造から少し離れ、坂道シリーズの先輩グループとして大きく成長していきます。
■西野七瀬、白石麻衣が卒業……何度も訪れるグループとしての転換期
メンバー個人の仕事も増えていくとともに、人気も上昇。2017年は『インフルエンサー』で、2018年は『シンクロニシティ』で日本レコード大賞を連覇。アイドルグループとしてトップに立ったその一方で、翌年2019年には、中心メンバーだった、なあちゃん(西野七瀬)が卒業。昨年2020年、長らく“乃木坂46の顔”として活躍してきたまいやん(白石麻衣)が卒業したのは、まだ記憶に新しいですね。乃木坂46は今、グループとして何度目かの、大きな変わり目を迎えています。
活動期間が長くなると、楽曲やパフォーマンスで“新しさ”を感じさせることが難しくなるのは当然ですが、オタクとしても、応援する上で悩ましい部分が多くなるのが本音です。「推していたメンバーが卒業してしまったけれど、引き続きグループのことは応援したいなあ」と思いつつ「あのときと同じ気持ちは、もう味わえないんだなあ」と過去のライブ映像を観て思い出に浸ってみたり。そんな、少々後ろ向きな気持ちに、新たなパフォーマンスの楽しみ方を魅せてくれたのが、昨年行われた乃木坂46の『8th YEAR BIRTHDAY LIVE 2020.2.21~2.24 NAGOYA DOME』3日目。ライブの終盤に披露された『帰り道は遠回りしたくなる』でした。
■“強くなりたい”と歌う、遠藤さくらが魅せたこれからの乃木坂46
なあちゃん(西野七瀬)の卒業曲である『帰り道は遠回りしたくなる』。この作品は、歌詞の中に“弱虫”という表現がありつつも、“新たな世界へ行きたい”“強くなりたい”といった強い意志も描かれていて、なあちゃんらしさがぎゅっと詰まった作品です。グループと一緒に成長してくれた大切なメンバーの卒業、という大きな分岐点に直面した不安や、寂しさ、でも背中を押したい、という当時の気持ちをダイレクトに思い出す曲なので、たまにイントロを聴いただけでも、うるっときてしまうくらい、ファンの方にはもちろん、私にとっても大切な曲の一つです。昨年の8thバスラでは、この曲のセンターを、4期生である遠藤さくらちゃんが担当しました。
センター担当とはいっても、バスラは普段のライブと少し異なり、全200曲を4日間で全て披露するイベントです。過去に卒業メンバーが担当していたポジションを、後輩メンバーが任される、という状況そのものは、この数日間において決して珍しいことではなく、そこになにか深い意味を求めて楽しむというよりは、この子がこの楽曲のセンターなのか~!と、純粋に“8thバスラバージョン”としてのフォーメーションを、楽曲と共に楽しむライブなのですが……。3日目に披露した『帰り道は遠回りしたくなる』のパフォーマンスだけは、これからの乃木坂46にとって、ものすごい意味を持っていたように感じたのです。
あの詩を、次世代を担う4期生、遠藤さくらがセンターでパフォーマンスすることで放たれる、メッセージの強さ。そして、目にいっぱい涙をためながら歌う“強くなりたい”という言葉、そのものが、あのとき、あの瞬間のさくらちゃんにぴったりで。パフォーマンスそのものに心が動いたのは勿論ですが、なあちゃんが主人公のあの曲に、再び新たな命を吹き込んだ瞬間を観ることができたと同時に、たとえ“過去の楽曲”であっても、パフォーマンスによって生まれ変わりを繰り返し、今一番の状態で魅せることができる乃木坂46の強さに、改めて衝撃を受けた瞬間でもありました。
最新表題曲のセンターを任されることに大きな意味があるのは、もちろん今後も変わらないことですが、長く活動している歴史があるグループだからこそ、先輩の卒業曲や過去の代表曲のセンターを任されることの意味や価値も、今の乃木坂46には確実に生まれていて、ここから生まれる緊張感やワクワク感は、これからもっと、グループの魅力になっていくと思います。
■9年目の乃木坂46が描く未来は……
今月23日に開催される『乃木坂46 9th YEAR BIRTHDAY LIVE』は、まいやん(白石麻衣)が卒業して以来、初めての大きなライブとなります。それに加えて、オンラインでの開催。この日のライブが、これからの乃木坂46としての新たな一歩となることは、間違いありません。
とはいえ、ぶっちゃけてしまうと、「もう、何章目?」っていうくらい、何度も分岐点を迎えて、そのたびに成長し続けているグループが乃木坂46なので(笑)きっと明るい未来しか待っていないと思います!
【22nd Single『帰り道は遠回りしたくなる』Music Video】
【吉田悠希の坂活日誌:初詣はもちろん……】
今年の初詣は乃木坂46ファンの聖地、乃木神社へ!
なあちゃんもここでヒット祈願していましたね~
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連載情報
吉田悠希「愛の避雷針」~坂道にズーム そこまで推すか!~
今推すべき楽曲を坂道グループの魅力と共にご紹介していきます。
著者:吉田悠希
セント・フォース所属。AKB48の劇場公演を観に行ったことがきっかけで、アイドルに興味を持ち、乃木坂46、欅坂46、日向坂46、櫻坂46……全ての坂道シリーズを推し続けて今に至る。各グループの推しは、橋本奈々未(乃木坂46)、平手友梨奈 志田愛佳(欅坂46)、 佐々木久美 東村芽依(日向坂46)、菅井友香 藤吉夏鈴(櫻坂46)。ニッポン放送では「辛坊治郎ズーム そこまで言うか!」にて、中継レポーターを担当中(水・木曜)。
『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』公式 Twitter https://twitter.com/zoom1242
セント・フォース公式 YouTube https://www.youtube.com/user/centforceofficial