バイデン政権の「厳しい対中政策」を示した人事~米通商代表候補・タイ氏

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ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」(2月26日放送)に内閣官房参与で外交評論家の宮家邦彦が出演。米議会上院財政委員会が、バイデン大統領が通商代表部(USTR)代表候補に指名した女性弁護士キャサリン・タイ氏の承認公聴会を開いたというニュースについて解説した。

就任式で宣誓後、手を振るバイデン米新大統領=2021年1月20日、ワシントンの連邦議会議事堂(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

アメリカの通商代表候補の公聴会を開催

アメリカの議会上院財政委員会は2月25日、バイデン大統領が通商代表部(USTR)の代表候補に指名した女性弁護士キャサリン・タイ氏の承認公聴会を開いた。懸案の対中貿易問題に「対処する」と強調し、不公正な貿易慣行などの是正に向けて引き続き厳しく迫る構えだということである。

新行)台湾系の女性弁護士の方を通商代表部に置いたという狙いは何なのでしょうか?

宮家)中国系ですが、たしか台湾系ですから、バイデン政権の中国に対する厳しい姿勢がこれで見えて来ますよね。また、女性でアジア系であるということも、アメリカの多様性を反映する人事の関係ではよかったのだろうと思いますが、そもそも彼女は優秀な人なのでしょう。以前USTRで中国担当だったということもあります。私も90年代にワシントンにいたとき、韓国系だったけれど優秀な女性の弁護士さんが通商副代表をやっていました。あれからずいぶん経ちましたが、ようやく女性のUSTRが出たなということで、大変結構なことだと思います。

北京から世界経済フォーラム(WEF)のオンライン会合に参加する中国の習近平国家主席=WEFのウェブサイトより=2021年1月25日 AFP=時事 写真提供:時事通信

対中政策を厳しくすることを反映したバイデン政権の人事

宮家)中国に対しては厳しく行くでしょう。バイデン政権は決して中国に対して優しくないですよ。トランプ政権が関税を25%にするなどということをしましたが、バイデン政権がそれを元に戻すかと言うと、未だ何1つ戻していないですよね。珍しくバイデン政権とトランプ政権で、対中政策に関しては意見が一致していた。

新行)その路線で行こうということですよね?

宮家)そういうことです。よほど中国が譲歩しなければ、バイデン政権はそれを取り下げないという態度なのでしょう。そのような状況を反映した人事であったということです。

バイデン次期米大統領(ゲッティ=共同)、中国の習近平国家主席=2020年12月2日 写真提供:共同通信社

戦略的な物資や軍事転用可能な技術に関してはデカップリングが始まる~それ以外は中国との分業を続ける

新行)そういう部分で、半導体やレアアースの調達を強化して、中国に依存しないようにするというような報道も出ています。

宮家)いわゆるデカップリングですよね。それについて私はいつも言っているのですけれど、すべてをデカップリングというわけではありませんが、戦略的な物資や情報、AIなどの軍事転用が可能な機微なものについては、デカップリングが始まると思います。アメリカと盟国は共に、そのような製品は自国に戻して、中国ではつくらない、情報や技術も流さないということになって行くと思います。しかし、それがすべての産業の製品に関してそうなるというわけではない。そうでないものについては、中国との分業やサプライチェーンをつくることがいちばん効率的なのですから、そこはうまく使い分ければいいだろうと私は思っています。

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