1月に河北総合病院内で発生した大規模クラスターの全容……改めて学ぶべき感染防御対策

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東京都医師会理事で「河北総合病院」理事長補佐 心臓血管外科医の新井悟氏が3月3日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。1月に河北総合病院内で発生した、新型コロナウイルスの大規模なクラスターについて解説した。

1月に河北総合病院内で発生した大規模クラスターの全容……改めて学ぶべき感染防御対策

IMAGE POINT FR-LPN/ BSIP/ニューズコム/共同通信イメージズ

飯田浩司アナウンサー)第3波のなかで、1月に院内で大規模なクラスターが発生しました。この経緯については、ホームページなどでかなり詳細に情報公開されていらっしゃいますが、院内感染がどのように発覚していったのか改めてお聞かせいただけますでしょうか?

新井)クラスターが発生した場所は、コロナを診ている分院のほうではなく、一般の患者さんを診ている本院でした。今までもかなり注意をして対応しており、本院のほうに患者さんたちが入院してくるときは必ずPCR検査をして、コロナの疑いのある患者さんは極力分院の方に回し、コロナでないということを確認できた患者さんを本院に入れていました。もちろん、今までも熱を出す患者さんたちは何人もいらっしゃいましたから、その都度検査をしていたわけですが、その当時は皆さん陰性で済んでいました。

しかし1月13日、熱が出た患者さんを検査したところ、陽性と判明したのです。その後、熱を出した何人かが陽性であることが判明しました。複数の患者さんが陽性になっているので、院内感染の対策を立てなければいけないと考え、1月15日に対策本部を立ち上げて、翌日16日に新規の入院患者さんや救急外来をストップして対応したという経緯です。

飯田)一気に広がったのでしょうか?

新井)最初の広がりは早かったです。入院患者さん全員と、ほとんどの職員を検査しました。最初の頃は、非常に陽性率が高かったです。

飯田)その陽性になった方々というのは、顕著に発症しているというわけではなかったのでしょうか?

新井)職員には、ほとんど症状が出ませんでした。

飯田)無症状ということは、陽性かどうかは、まさに検査によって初めて分かるわけですね。

新井)他の感染症と違って、無症状でも感染力を持っているというのが、コロナの非常に厄介なところだと思います。

1月に河北総合病院内で発生した大規模クラスターの全容……改めて学ぶべき感染防御対策

飯田)他の病院でも、無症状の方が持ち込むケースは多いのでしょうか?

新井)他の病院でも入院する場合には、検査をして陰性を確認しています。他の病院のお話ですと、骨折の患者さんの手術をした際、手術した後に熱が出て再度検査をしてみたところ、実は陽性だったということも聞きます。一度陰性だったからといっても、もしかすると陽性かもしれないという可能性もあります。ですので、やはり普通の患者さんでも、マスクをしたり手洗いうがいをしたりといった感染防御対策というのは、ずっと続けていかなくてはいけません。

飯田)ここで学ぶべきことというのは、どういったことでしょうか?

新井)きちんとした感染防御対策を、全ての入院患者さんや職員も含めて、さらに徹底していくということです。入院した患者さんに、きちんとマスクをしていただくこと。あとは、接触面をきれいに消毒することや、手指衛生をきちんとするといったことが基本です。

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