コロナ対策に優れた医療機関で安心して検診を……がん予防のために知っておくべきこと

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東京都医師会理事で「ケイアイクリニック」理事長の消化器内科医、黒瀬巌氏が2020年12月29日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。がん予防に大切なことと、医療機関で実施されるコロナ対策について解説した。

コロナ対策に優れた医療機関で安心して検診を……がん予防のために知っておくべきこと

大阪コロナ重症センター 防護服で看護師ら研修=2020年12月11日午前11時3分、大阪市住吉区万代東の大阪急性期・総合医療センター 写真提供:産経新聞社

飯田浩司アナウンサー)がんにならないための「1次予防」に必要な対策の1つとして、お酒の飲み過ぎに注意するということがありますが、どのぐらいの量を目安にすればいいでしょうか?

黒瀬)健康維持の面から考えると、アルコールの成分で1日20gが上限と言われています。20gとは、具体的に申し上げますと、ビールなら中瓶1本、日本酒なら1合、ウイスキーだとダブルで1杯程度です。また、例えばチューハイですと、アルコール分が7%程度のものが多いので、基本的には350ccの缶1本が目安ということになります。

また、毎日この量を飲んでもいいということではなく、皆さんご存知の通り、休肝日を設けなければいけません。できれば毎日ではなく週に1~2回、できれば3回、休肝日を持つことが大切です。注意していただきたいのは、お酒を飲むと顔が赤くなる体質の方は、お酒の分解が遅い方なので、過度にお酒を飲み過ぎると食道がんができやすいのです。絶対禁酒というわけではありませんが、顔が赤くならない方よりも特に飲み過ぎに注意し、制限していただく必要があると思います。

飯田)がんにかかってしまった方を早期で見つけて、治療につなげるための「2次予防」の検診についてですが、受ける人が減っている原因として、やはりコロナ感染が怖いというところがあると思います。病院側もいろいろなコロナ対策を講じていると思いますが、具体的にはどういったことをされていますか?

黒瀬)コロナ禍で皆さんが病院に行くのを怖がるのは、当然のことだと思います。ただ、例えば検診を専門にしている医療機関では、コロナの疑いがあるような方には予約を変更、または延期していただき、健康な方とコロナの疑いのある方が一緒の空間にいることがないよう、できるだけ工夫されています。ですので、基本的には心配ないと思います。また一般の診療所でも、例えば午前と午後で検診の時間帯と一般診療の時間帯に分けるなどの工夫があります。あるいは入り口や診察室が2つあるような少し広めの診療所だと、時間的な分離だけではなく導線を分けて、症状のある方とない方が一緒にならないような工夫もしております。

専門の医療機関、一般の医療機関に関わらず、もちろん徹底的に消毒をしています。これは日本の病院の最もいいところだと思いますが、非常に清潔に、感染予防対策をしております。ですので、怖いかも知れませんが、ぜひ安心して検診を受けていただきたいです。もちろん、普段の高血圧や糖尿病の治療などでも、しっかりと通院していただければと思います。

コロナ対策に優れた医療機関で安心して検診を……がん予防のために知っておくべきこと

新行市佳アナウンサー、黒瀬巌氏、飯田浩司アナウンサー

飯田)先日私も検診を受けたのですが、採血をしたあとに止血する際、昔はバンドを巻いていたのが包帯に変わっていて、「止血が終わったら捨ててください」と言われました。「なぜ包帯に変わったのですか?」と尋ねたら、「使い回しはよくないですので」と言われ、こういったところにまで気を遣ってくださるのかと驚きました。

黒瀬)本当にそうですね。例えば胃カメラで細胞をとるような生検鉗子も、これまでなら消毒して再利用していたところもあるのですが、現在うちでは全てディスポーザブル(使い捨て)のものを使っています。もちろん消毒することも大切なのですが、いちばんいいのは二度と使わないことです。そういう意味でもコストをかけながら、病院側も感染予防にたいへん力を入れています。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

番組HP

医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

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