東京都医師会理事で「鳥居内科クリニック」院長の鳥居明氏が4月15日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。新型コロナウイルスの重症化の目安となる肥満度=BMIの値と計算方法について解説した。
飯田浩司アナウンサー)基礎疾患のある方で申し出をされた方は、優先接種の対象となり得るというお話のなかで、肥満についてお聞きします。どの程度の方が、リスクが高いと認定されますか?
鳥居)この問題もいろいろと難しいのですが、一般的に重症化する1つの目安というのは、BMIが30以上と言われています。体重を身長の2乗で割ったものですね。例としては、身長170cmの方であれば体重が約87kg、160cmであれば体重が約77kg、これ以上太っているとBMIが30以上ということです。もしコロナにかかった場合は、他の基礎疾患と同じように重症化するということが言われていますので、かかりつけ医の先生によく相談することをお勧めいたします。
飯田)身長はメートル換算で、170cmの場合は1.7の2乗で割るということですね。そして、ワクチンと変異株についてもお聞きします。日本各地で拡がりつつある変異株は、イギリス株、南アフリカ株、ブラジル株などいろいろ言われていますが、ワクチンが効くのかどうかという部分にも関心を持たれている方が多いと思います。これについて、どうお考えですか?
鳥居)まだ全てがわかっているわけではありません。変異の種類によっても変わって来ると思いますが、いまのところファイザーのものは、現在出ている変異株に対して効果を示すということが言われています。ただ、今後のいろいろな検討を待たなければならないところがあると思います。特にファイザーの場合には、mRNAで攻撃するところの、スパイクタンパクに対する抗体がつくられるということで、多少変異があっても、その部分をブロックすることができると言われております。
飯田)ワクチンについては、日本でできるのかどうかということも言われていますが、その点についてはいかがでしょうか?
鳥居)日本製のワクチンはいくつかありますが、まだ治験が十分に済んでいないのが現状です。皆さんも日本製のものを使いたいという気持ちがあると思いますが、まだ少し時間がかかります。
飯田)「イベルメクチン」についてお聞きします。先日、WHOから「治験に限るべきだ」という話が出て来ましたけれども、これについてはいかがでしょうか?
鳥居)これもいま検討中です。ただ、先日出たさまざまなデータなども、決して効かないということではありません。例えば、重症化を防ぐという形ですね。経口薬で済みますし、疥癬(かいせん)やいろいろな病気に対してもすでに認められている薬ですので、治療として使うというよりは、最初に使って重症化を防ぐという点で、非常に有用ではないかと思っています。安全性については、もうたくさん出ていますし、一般にも使われている薬ですので、最終的には有効性を示すきちんとしたデータを待つ形になると思います。ただ、第4波、第5波のなかで、重症化が進むような問題が起きた場合には、緊急で使わざるを得ないようなことも起こるのではないかと思っております。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます