【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第1000回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、6月11日に公開された『キャラクター』と『映画 さよなら私のクラマー ファーストタッチ』をご紹介します。
映画館で観たい!『キャラクター』~菅田将暉×Fukase、誰も観たことがないダークエンターテインメント
偶然見てしまった、殺人犯の“顔”。もしも売れない漫画家が、その“顔”をキャラクターとして漫画を描いたなら……。
そんな斬新なアイデアを基軸に、登場人物たちの人間模様を描いた『キャラクター』。原案・脚本を手がけたのは、「20世紀少年」など数多くの浦沢直樹作品にて、ストーリー共同制作者として携わって来た長崎尚志。
10年の歳月をかけて練り上げた衝撃作が、ついにベールを脱ぎました。
『キャラクター』のあらすじ
人気漫画家を夢見ている山城圭吾。画力は高いものの、お人好し過ぎる性格が災いしてリアルな悪役キャラクターを描くことができず、万年アシスタントの日々を過ごしていた。
ある日、山城がスケッチのために訪れた一軒家で、偶然にも殺害事件の現場に遭遇。犯人を目撃する。しかし彼は、警察の取り調べに対して「犯人の顔は見ていない」という嘘を供述。そしてあろうことか、自分だけが知っている犯人をキャラクター設定し、サスペンス漫画「34(さんじゅうし)」を手がける。
本物の“悪”を描いたこの漫画は、異例の大ヒット。山城は、念願の売れっ子漫画家への道を歩む。ところが、作中に描かれた光景を模した事件が、次から次へと発生し……。
『キャラクター』のみどころ
主人公の山城圭吾を演じるのは、菅田将暉。「自分には才能がない」と苦悩するあまり、“禁断の果実”に手を出してしまう漫画家を、確かな演技力で繊細に表現しています。
一方、山城の運命を狂わせる天才的な殺人鬼・両角役には、本作が俳優デビューとなるSEKAI NO OWARIのボーカル・Fukase。独特の存在感を放つ、謎に包まれた異質なサイコキラーぶりは必見です。
さらに2人を取り巻くキャラクターを演じるのは、小栗旬、高畑充希、中村獅童など実力派キャストの面々。彼らの緊迫感あふれる演技合戦にも注目ですよ。
狂気とスタイリッシュさを併せ持つ作風で、予想を裏切る展開の連続から目が離せなくなる本作。
相まみえるはずのない2人が“共作”した、連続殺人事件。その果てに待ち受ける“結末”は、是非、スクリーンで。
コチラも映画館で観たい!『映画 さよなら私のクラマー ファーストタッチ』~女子サッカーをフィールドに織りなす、王道青春ストーリー
女子サッカーを題材に、新川直司が手がけた人気コミックをアニメ化。スポーツに情熱を捧げる少女たちの躍動を生き生きと映し出した「さよなら私のクラマー」。
女子サッカーの頂点を目指す<高校生編>を描いたテレビシリーズに対し、待望の劇場版となる本作の舞台となるのは、恩田の中学生時代。男子サッカー部に所属するなかで、性別や身体能力の壁に阻まれながらも、自らの理想とするプレースタイルで活路を見出そうとする主人公の成長を鮮やかに描いています。
スクリーン狭しと駆け回る恩田希こと“ノンちゃん”が繰り広げる、華やかでスピード感あるプレイに魅了されること間違いなし。そして、ナインティナインの矢部浩之演じる“矢部先生”も、お見逃しなく。
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『キャラクター』
2021年6月11日(金)から全国東宝系にてロードショー
出演:菅田将暉、Fukase(SEKAI NO OWARI)、高畑充希、中村獅童、小栗旬
原案・脚本:長崎尚志
監督:永井聡
プロデュース:村瀬健
主題歌:「Character」ACAね(ずっと真夜中でいいのに。)×Rin音 Prod by Yaffle
製作:フジテレビジョン、東宝
配給:東宝
(C)2021 映画「キャラクター」製作委員会
『映画 さよなら私のクラマー ファーストタッチ』
2021年6月11日(金)から全国ロードショー
<キャスト>
恩田希:島袋美由利
越前佐和:若山詩音
山田鉄二:内山昂輝
竹井薫:逢坂良太
谷安昭:土屋神葉
恩田順平:白石涼子
鮫島幸造:遊佐浩二
矢部先生:矢部浩之(特別出演)
<スタッフ>
原作:新川直司「さよならフットボール」(講談社KC刊)/「さよなら私のクラマー」(講談社『月刊少年マガジン』連載)
監督:宅野誠起
脚本:高橋ナツコ
キャラクターデザイン:伊藤依織子
音楽:横山克
アニメーション制作:ライデンフィルム
主題歌:小林愛香「空は誰かのものじゃない」(トイズファクトリー)
配給:東映
(C)新川直司・講談社/2021「映画 さよなら私のクラマー」製作委員会
公式サイト https://sayonara-cramer.com/movie/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/