【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第1002回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、現在、絶賛公開中の『漁港の肉子ちゃん』をご紹介します。
映画館で観たい!『漁港の肉子ちゃん』 訳アリ母娘のハートフルコメディ
原作は、直木賞受賞作家・西加奈子による同名ベストセラー小説。
船に住む、ちょっぴり訳アリな母娘の秘密をハートフルに紡いだこの物語を、原作に惚れ込んだお笑い界の国民的スター・明石家さんまが、劇場アニメ映画として企画・プロデュース。
映画化のオファーを、明石家さんま自ら原作者の西加奈子に打診してから5年。その想いがついに結実し、スクリーンにお目見えしました。
『漁港の肉子ちゃん』のあらすじ
情に厚くて惚れっぽいがゆえに、ダメ男を引き寄せては騙されてしまう。食いしん坊で能天気な肉子ちゃんは、娘のキクコと暮らしている。
肉子ちゃんの恋が終わるたびに各地を放浪する二人が流れ着いたのは、北の漁港の町。そこで焼肉屋を営むサッサンと出会ったことで、彼が所有する船の上を住処として新しい生活を始めることに。
11歳になるキクコは、クールでしっかり者。年齢よりも大人びている彼女は、とんでもなく豪快で、子どものように純粋すぎる母親のことを、時折恥ずかしく思うこともあった。
しかし、そんな母と娘には、ある大きな秘密があって……。
『漁港の肉子ちゃん』のみどころ
主人公・肉子ちゃんの声を担当したのは、大竹しのぶ。実写・アニメーション、作品のジャンルを問わず発揮される確かな演技力で、肉子ちゃんをパワフルかつ生き生きと演じています。
一方、娘のキクコ役に抜擢されたのは、本作が映画デビューとなるCocomi。透明感あふれる演技で、思春期の少女の揺れ動く心を見事に体現しています。
またストーリーの重要なキャラクターとなるキクコの同級生・二宮を、大人気アニメ「鬼滅の刃」の竈門炭治郎役でおなじみの花江夏樹が務めてるなど、バラエティ豊かな顔ぶれが作品世界を彩っています。
“笑って泣ける感動作”というありふれた言葉では形容できないほどの、温もりと優しさに満ちている本作。
「普通が一番ええのやで」。
たとえ辛いことや悲しいことに出会ったとしても、私たちの日常の中には、ほんのりと明るく照らしてくれる希望の光がある。いつも全力で、底抜けに明るい肉子ちゃんが、あなたにそっと元気と勇気を与えてくれます!
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■劇場アニメ映画『漁港の肉子ちゃん』
大ヒット公開中
企画・プロデュース:明石家さんま
出演: 大竹しのぶ Cocomi 花江夏樹 中村育二 石井いづみ 山西惇 八十田勇一 下野紘 マツコ・デラックス 吉岡里帆
原作:西加奈子「漁港の肉子ちゃん」(幻冬舎文庫)
監督:渡辺 歩
キャラクターデザイン・総作画監督:小西賢一
美術監督:木村真二
脚本: 大島里美
音楽:村松崇継
主題歌:稲垣来泉「イメージの詩」 作詞・作曲:吉田拓郎 編曲:武部聡志 サウンドプロデュース:GReeeeN (よしもとミュージック)
エンディングテーマ:GReeeeN「たけてん」(ユニバーサル ミュージック)
演出:秋本賢一郎 色彩設計:伊東美由樹 CGI監督:中島隆紀 編集:廣瀬清志 制作担当:青木正貴 音響監督:笠松広司
アニメーション制作:STUDIO4℃
配給:アスミック・エース
製作:吉本興業株式会社
(C)2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会
公式サイト https://29kochanmovie.com/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/