ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月24日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。東京オリンピック・パラリンピックの大会組織委員会が発表した観客向けガイドラインについて解説した。
東京オリンピック・パラリンピック~飲酒禁止など観客向けガイドラインを発表
東京オリンピック・パラリンピックの大会組織委員会は6月23日、新型コロナウイルス感染対策を踏まえた会場での酒類販売の見送りや、飲酒の禁止などを盛り込んだ観客向けガイドラインを発表した。ガイドラインには、入場時や会場内では原則マスクの常時着用や、大声での応援の禁止、自宅と会場との「直行直帰」といった会場外でも感染対策への協力を呼びかけるということが盛り込まれている。
飯田)違反者は組織委員会の判断で入場の拒否、退場の措置を取る場合があるとしています。
鈴木)お酒の話は、出た瞬間に「え?」と思った人が多いのではないですか。直接関わっていない人なのですが、組織委員会の理事の1人が、「わざと出したのではないかな」と言っていました。世論はお酒に関して批判的だから、流れをつくるためにわざと出したのではないかと深読みをする人がいるくらいです。何かすっきりしません。
飯田)世論や雰囲気で決められて行く。
鈴木)そうなのですよ。オリンピックに対しての不信感を多くの人が持っている。いま、世論調査をやって「中止」という意見が少なくなったとは言うけれど、よく見ると、「無観客なら開催してもいい」など、条件付きなのです。「無条件で開催しましょう」という世論はやはり少ないのです。
オープンな議論が必要
鈴木)そのくらい、国民はまだオリンピックに対していろいろな思いを持っている。それに対して、いまこそ組織委員会、政府、東京都がやらなければいけないのは、まず、議論をオープンにすることです。大人の世界があるのかも知れませんが、ここまでコロナ禍でのオリンピックに対して、国民の思いがある。もうここはオープンな議論しかないでしょう。お金のことやスポンサーのことがあるのならば、それもオープンにするべきだと思います。「それをすると反対が出るから」などといろいろ言われるのだけれど、私はその段階を超えていると思います。いまこそオープンが必要だと思います。
数字と基準~観客数については数ではなくパーセンテージで決めるべき
鈴木))もう1つは、数字と基準です。「この数字ならやる」「やらない」と。例えば、今度の「観客数の上限1万人」にも思いますが。
飯田)上限1万人。
鈴木)「緊急事態宣言のときに政府が1万人に決めたから、それに従う」というような、いい加減なやり方はないと思います。これを聞いた瞬間に、「できレースか」と思ってしまうではないですか。観客数で言うなら、会場も大きさで違いますよね。
飯田)まちまちですよね。国立競技場は6万8000人入るわけで。
鈴木)競技によっても会場が違うでしょう。だから政府の決めた、いわゆるコロナ対策で「50%以下、もしくは最大1万人」ではなく、競技場ごとの数字をなぜ出せないのか。それから、数ではなく、パーセンテージの方がわかりやすくないですか? 50%と言ったら「観客席を1つ空けるのだな」、30%と言ったら「2人空けるのだな」と。パーセンテージの方が数字としてはわかりやすいのです。そういうことをなかなか示さない。
飯田)屋外と屋内でも条件が変わります。
鈴木)換気の状況も違います。数字とオープンな議論。これをやらないと、なし崩し的に進んで行ってしまう。しっかりと私たちはチェックしなければいけません。この手法が通じると、他の政治行政課題もこの手法で、なし崩し的に行ってしまう可能性もあります。「いまさら」と言われるかも知れませんが、そういうものを1つひとつチェックして、私たちは行動して行かないといけないという気がしています。
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