ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月30日放送)にエコノミストで複眼経済塾塾頭のエミン・ユルマズが出演。三菱電機が鉄道車両用の空調設備の性能検査で30年以上、偽装を続けていたというニュースについて解説した。
なぜ30年以上も騙し続けたのか~問われる日本企業のガバナンス
三菱電機が、鉄道車両向け空調機器について、空調設備の出荷の際、架空のデータを用いる不正な検査を行っていたことがわかった。不正は30年以上続いていた疑いがある
飯田)三菱電機が性能検査で偽装というニュース。その内容については、まだ表に出ていませんが、どうご覧になりますか?
ユルマズ)会社側が認めているのですが、「安全性に問題はない」と言っているのですよ。それを言っている時点で勘違いしています。そういう問題ではありません。東芝の問題といい、今回の三菱電機といい、日本企業のガバナンスはどうなっているのだと。最近、「ESG」などと言いますが、ESGのEは環境で、Sは社会、そしてGはガバナンスですからね。日本企業は省エネなどは昔からやっているので、環境に関してはきちんとやっていますが、SとGについてはまったくできていません。そうなると、日本の大手企業はあまりESGやSDGsということを言えないのですよね。安全性という問題ではなく、「なぜ騙すのか」ということがポイントなのです。
いまはSNSでどんな情報も広がってしまう
飯田)メールやツイッターでも意見をいただいています。“ラジオホリ”さんから、「納期を守るため、1度偽装を行ってしまうとやめるタイミングがなかったり、やめようとする人がいないとズルズル続いてしまいそうです」といただきました。原因が何にせよ、30年騙していたというのは信じられないですね。
ユルマズ)昔であれば広がらない情報も、いまはSNSで拡散するではないですか。「この企業はいい加減なことをやっている」、「ブラック企業だ」などとすぐにつぶやかれてしまう。そういうことがレピュテーションの低下にもつながります。昔とは違う感覚でぜひやっていただきたい。「安全だ」という問題ではなく、「騙さないで」ということです。
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