無観客観戦となり、医療提供体制はどう変わるのか~東京オリンピック
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東京都医師会理事で河北総合病院・理事長補佐、心臓血管外科医の新井悟氏が7月12日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。東京オリンピック・パラリンピックに向けた医療提供体制について解説した。
無観客での、医療提供体制
飯田浩司アナウンサー)東京オリンピックに関して、首都圏1都3県などは無観客で行われることが決定しました。お医者さんの立場では、従来から無観客の方がいいという話が出ていたように思いますが。
新井)東京都医師会は、新型コロナウイルス感染症が拡大しているなかで、再び大きな波が来るであろうということも予想しています。また、ワクチン接種が国内で進んでいて、それに対する医療従事者を準備しなくてはいけませんので、医療体制への負荷ということを考え、無観客を提言して来ました。
飯田)感染予防を考えると、無観客ということが決定されて、ホッとするところはあるのでしょうか?
新井)そうですね。安心しているところもあるのですが、気を引き締めて開催に向け、我々も対応して行かなければならないという気持ちの方が強いですね。
最寄り駅から競技場までの「ラストマイル」を救護する
飯田)無観客になったということで、オリ・パラにまったく関わらなくなるということではありませんからね。競技場よりもその周辺でお医者さん、看護師さんが待機するということであったと思いますが。
新井)そうですね。ラストマイルと呼んでいますが、競技場周辺が大きな分野になります。競技会場も一部担当する予定にはなっています。
飯田)ラストマイル、駅から競技場の間というイメージでいいですか?
新井)そうですね。最寄り駅から競技会場の入り口までがラストマイルと呼ばれるところで、夏場の暑いなか、多くの観客がそこを移動するということで、熱中症も気になりますし、体調の悪い方が新型コロナウイルス感染症にかかっている可能性もありますので、観客を入れるとなった場合には、そこでの救護が気になるところではありました。
オリンピック関連のグッズ販売の可能性も
飯田)無観客となると、基本的にはラストマイルには人がいなくなるということになりますか?
新井)そうなると思います。ただ、もしかすると、オリンピックのグッズに関するイベントを開催する、またはグッズを売るような売店などがあると、チケットを持っていない方でも来ることができますので、そういうこともあるかも知れないと考えています。
有観客の可能性のあるパラリンピック
飯田)オリンピックに関しては無観客ということになりましたが、パラリンピックに関してはこれからです。そこはあると想定して準備をしなくてはいけないということですか?
新井)準備をやめてしまうことはできませんので、対応できる体制をつくります。傷病者の方を守るというのは我々医療従事者の責務ですので、できる限り対応したいと思っています。
番組情報
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飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます