ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月15日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。7月4日に投開票された東京都議会議員選挙の結果と総選挙への影響について解説した。
東京都議選~勝利者はいなかったのか
東京都議会議員選挙が7月4日に投開票され、33議席を獲得した自民党が第1党の座を都民ファーストから奪還したが、候補者全員が当選した政権与党の公明党との合計でも目標の過半数には届かなかった。
飯田)前回ご出演のときが、都議選の直前というタイミングだったと思うのですが。
鈴木)いろいろ言いたいことが言えませんでした。
飯田)都議選が終わって、週刊誌も小池さんのことを書いていますが、どうですか?
コロナ対策とオリンピックで自滅した自民党
鈴木)自民党の都連会長である鴨下さんが、「今回の選挙は誰が勝利者というのはない」と言いました。自民が33議席で都民ファーストが31議席、公明が23議席。どこかが単独過半数を獲ったわけでもなければ、組み合わせても過半数をどう獲るのかとか。要するに、誰が勝ったかよくわからないということなのでしょうが、1つ1つ見て行くとはっきり勝ち負けが出たと思います。
飯田)勝敗が出た。
鈴木)自民党は厳しい結果だったと思います。前日に自民党の幹部と話していて、「43議席」と予想していたのです。私も特番などがあるので、それをベースに準備したのだけれど、33議席でしょう。これは自滅ですよね。落選した候補者たちにも知り合いが多くてけっこう話したのだけれども、「政府のコロナ対策はどうなっているのか」と。東京都ではないのです。それからオリンピック。罵声に近いような批判を浴びたと言います。中央の話が全部語られてしまうのです。その結果、自民党は自滅した。自・公で過半数も獲れなかった。これは敗北ですよね。
勝ったと言える都民ファースト
鈴木)都民ファーストは「20、小池さんが動けばプラス10」などと言われていましたが、やはり小池さんが動いてプラス10。「金曜日の夜中に小池さんが入る」というスケジュールが決まり、私はリアルタイムで明け方まで取材をしていましたから。
飯田)なるほど。
鈴木)都民ファーストは、議席は減らしましたが、勝ちかも知れませんね。
全議席通ったが、公明党も負け
鈴木)公明党は23議席すべて通ったのだけれど、私は勝ちとは言えないと思います。厳しかったのです。
飯田)山口さんが「奇跡だ」と言っていましたよね。
鈴木)達成した奇跡というよりは、これで通ったのが不思議なくらいの奇跡。そういう意味合いですよね。
飯田)クタクタに疲れ切って。
鈴木)得意の選挙運動がコロナでできなかった。前日の夜、21議席しか獲れないと幹部に聞いたくらいでした。
飯田)2議席は落とすだろうと。
鈴木)次の総選挙は、自民・公明は立て直す。そういう意味で、この2つは負けと言ってもいいと思います。
すべて総選挙につながって行く~選挙協力が成功した立憲民主党と共産党
鈴木)一方、立憲と共産の選挙協力は意外とうまく行っているのですよね。現場で選挙が終わった夜ですが、「選挙協力というのはこういうことなのか」と。成功体験を得ましたよね。これは総選挙に向けて弾みになる。数は少ないけれども、この2つは勝ちと言ってもいいかも知れない。結論を言えば、どれもすべて総選挙に、よくも悪くもつながって行くという流れができたのが、今回の都議選だと思います。
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