ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月3日放送)に経済アナリストのジョセフ・クラフトが出演。亡命希望のベラルーシの陸上選手にポーランドがビザを発給したことについて解説した。
亡命希望のベラルーシの陸上選手にポーランドがビザを発給
東京オリンピック陸上・ベラルーシ代表で、本国からの帰国命令を拒否し日本に滞在しているクリスチナ・チマノウスカヤ選手が8月2日、ポーランドへの亡命に向けた書類を提出した。ポーランド外務省高官は2日、「ビザを発給した」とツイッターで明らかにしている。
飯田)「本国からの帰国命令を拒否」というように報道されていますけれども、この帰国命令が無茶苦茶ですものね。
クラフト)ベラルーシは欧州最後の独裁者と言われているぐらいの。
飯田)ルカシェンコ大統領。
日本政府としての存在感をもう少し出すべきだった~人権問題に対する日本の立ち位置が国際的に問われている
クラフト)無茶苦茶なのです。国際的にはかなり大きなニュースで、個人的には、今回の問題でも日本政府としての存在感をもう少し出して欲しかったですね。日本の難民受け入れ数は低いのです。2018年度で1万500人程度が申請するなかで、受け入れたのは42名だけです。0.4%しか受け入れがないということは、国際社会のなかで、日本の人権問題の立ち位置が問われているのではないかと思います。
飯田)今回の件も、官房長官は会見のなかで、「IOCや組織委員会が対応しているので、法律に従って粛々とやります」というようなことをおっしゃっていて、だいぶ引いた感じですね。
クラフト)まずは日本政府として立場を明確にし、保護し、そのあと選手の意向に沿って誘導してあげてもいいのではないかと思います。
飯田)選手本人が羽田空港で警察官などに対してSOSを発信し、そこから保護されましたが、外務省や国の関与というものがあまり表に出ませんでした。
クラフト)そうなのですよ。そのままポーランド大使館に入って行ったということです。結果としてはいいのでしょうけれども、国連でも重要な活動の1つとされているので、日本が人権問題に積極的に関与する必要が今後、問われるのではないでしょうか。
国際的に重要視される「人権問題と環境問題」~日本は存在感を見せなければいけない
飯田)中国のこともあり、この価値観、人権意識が国際社会でますます重要になって来ているわけですよね。やはり日本としても役割を求められるということですか?
クラフト)スリランカの女性が収監されている間に亡くなられてしまったということが話題になりましたが、入国希望をしている方たちの扱いを含め、受け入れ態勢も問われます。「人権問題と環境問題」、この2つは国際社会では重要視されているので、日本も、より存在感を見せなければいけないと思います。
日本の「難民受け入れが0.4%」は国際的に低い水準~改善の余地はある
飯田)日本で申請している人には経済難民が多い。そうすると「本当は出稼ぎ目的なのではないか」ということが指摘される場合もあります。
クラフト)そういう人たちばかりを受け入れるのが難しいということは、当然ありますけれども、政治的に抑圧されている人たちも多い。そこを審査している間に、一時的に泊まるところなど、国内での受け入れ態勢を整えたり、人権問題に関する情報収集も含めて、より改善の余地はあるのではないかと思います。
飯田)これは発信の仕方も含めてというところもありますか?
クラフト)確かに「難民を受け入れますよ」というメッセージを出すと、誰でも来てしまうので、あまり大きく報道したくないということもありますけれど、「日本は人権問題についてどうなのだ」と言われかねないので、ある程度はルールづくりをするべきでしょう。国際的に難民受け入れが0.4%というのは、どう見ても低い水準であるということは言わざるを得ないです。
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