ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月16日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。自民党総裁選、次期衆議院選について解説した。
自民党総裁選
菅総理大臣の自民党総裁としての任期は、9月30日まで。菅内閣の支持率は報道各社の最新の世論調査でNHKが29%、読売新聞が35%、朝日新聞が28%と低迷している。自民党総裁選、次期衆院選はどうなるのか。
総裁選をやった上で解散総選挙という流れに
飯田)総裁選と衆院選。「どちらを先にやるのか」というような議論や見立てもあったのですが、支持率によって変わりますか?
須田)そうですね。その意味で言うと、フルスペックで、またはフルスペックに近い形で総裁選をやって、解散総選挙という流れになるのだろうと思います。
飯田)総裁選をやった上で。
須田)前回の選挙で勝ち過ぎたので、議席が減ることは間違いありません。「20議席減以内で収まれば、とりあえず合格」というラインになるのではないかと言われていたのですが、ここに来て、内閣支持率の動きを見ていると、場合によっては40~50議席失うのではないかというような見立ても出て来ています。
衆議院の任期満了日の「10月21日解散説」が台頭
須田)選挙の限界まで頑張れるかどうかは別としても、できるだけの手を打った上で引っ張った方が得なのではないかということです。新型コロナウイルスも収束の気配を見せていないし、経済景気動向を見ても相当厳しい状況になっているので、「総選挙はできるだけ先に」という案が官邸のなかで浮上していて、衆議院の任期満了日である「10月21日解散説」というのが台頭して来ているのです。そうすると、告示と投開票日は11月にずれ込む。これは別に憲法違反ではないのですが、かなりイレギュラーというか、「奇手奇策」の類に入るのではないでしょうか。
総裁選は「菅続投」という流れになりつつある
須田)解散の前に総裁選が行われるのですが、派閥トップの人たちのいろいろな思惑が乱れ飛んでいまして、「菅続投」という流れが起こりつつあるのです。総裁選に出馬することは自由なのですが、総裁選に出馬する候補たちは、「どのように自分の身を位置付けるのか」というところがポイントになります。
飯田)どのように位置付けるか。
須田)とはいえ、いま、いちばんのメインテーマは、やはりコロナ対策ではないですか。
飯田)そうですね。
須田)菅さんと違う総裁選の対立軸になるような、「違う形でのコロナ対策はあり得るのか」ということは、難しいだろうと思います。全面的に対立するという構図がつくりにくい。出馬はするけれども、「積極的に勝ちに出る」ということではなく、「ポスト菅」として、今回の総裁選は菅さんの再選で、任期である3年間のなかで、いつ政権が厳しい状況になってもいいように、名乗りを上げておくという動きが出て来たのかなと思います。
次回以降の総裁選に重きを置く高市早苗氏~「菅支持」は変わらない
飯田)9月に行われるであろう総裁選の日程も、8月の終わりぐらいに出て来ますが、これに向けて、前の総務大臣である高市早苗さんが出馬するという記事が「文藝春秋」に出ました。その記事のなかで経済対策については、紙幅を割いて「しっかりと見通しをして行くのだ」とされています。財政出動をして行くのだという辺りを強調していますね。
須田)高市さんはもともと国会議員として登場したときに、経済政策の専門家として出て来た経緯があるので、そちらの方は経験豊富なのです。とは言っても、高市さんも菅さんと全面的に戦うというよりも、高市さんこそがポスト菅、つまり、次の総裁選以降のなかで名乗りをあげるということに重きを置いているのかなと思います。「菅さんに対して敵対するつもりはない」とも言われています。
飯田)確かにあの記事を読むと、「任期いっぱいまで菅さんをお支えするということに変わりはない」と書いてありました。
須田)菅支持ですからね。高市さんは自前の派閥を持っているわけではありません。安倍さん、あるいは麻生さん、場合によっては二階さんなどの支援を仰がなければならないというなかで、やはり菅支持というところは変わらないのだろうと思います。
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