森永卓郎が大予想 「“ハナ差”で岸田新総裁誕生」
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「垣花正 あなたとハッピー!」(9月29日放送)に経済アナリストの森永卓郎が出演。9月29日に投開票となる自民党総裁選で新総裁は誰になるのか、自らの予想を展開した。
投票がはじまった自民党総裁選
1回目の投票結果が9月29日14時半ごろに発表になり、決選投票になった場合は15時半過ぎに結果が判明する予定の自民党総裁選。多くのメディアが河野氏、岸田氏の決選投票になるのではないかと報じている。
垣花)1回目の投票結果が14時半ごろに発表になり、決選投票になった場合は15時半過ぎに結果が判明する予定ですが。
森永)もうすぐ日本の新しい総理大臣が事実上決まるということです。ここで予想するということは、非常に厳しい状況です。
スポニチの予想~河野氏300票超、岸田氏230票、高市氏170票
垣花)いまの段階で、例えばスポーツニッポンははっきりと、
『総裁選は河野氏が党員票の半数以上を確保も過半数には届かないとみられ、最終盤に入り決選投票を見据えた駆け引きが激化』
~『スポニチアネックス』2021年9月29日配信記事 より
垣花)……と書いています。ちなみに1回目の票数まで出ています。河野さんは議員票が100票台、党員票が200票台で、合計300票超。ただし過半数は383票ですから、300票超では届きません。
森永)届きませんね。
垣花)岸田さんは、議員票が130票台半ば、党員票が100票台で計230票あまり。高市さんは、議員票が90票台後半。100票近くということです。党員票が70票台で計160票台の後半。170票くらいとしておきましょうか。岸田さんが230票あまりで、高市さんが170票くらいということで、ここに60~70票くらいの差があるという予想です。
二階幹事長が野田氏に推薦人を貸した理由
森永)多分そのようになるのではないかと思いますが、そもそも決選投票は避けられないという状況です。もともと野田聖子さんは推薦人が足りず、出られなかったわけです。そこに二階さんが8人も議員を貸して立候補できるようにした。なぜ推薦人を貸したかと言うと、「決選投票にどうしても持ち込みたい」というのが二階さんの魂胆なのです。
垣花)なぜですか。
森永)最終的に決選投票になった場合は、劣勢の方に乗って二階派の力でひっくり返し、恩を売ってポストを取るということです。
垣花)キャスティングボートを握りたいから。野田さんはスポニチでは、30票台半ばくらいしか獲れないだろうという読みです。
森永)そんなことはみんなわかっていたのです。ただ、二階さんの思惑通りに決選投票になりそうなのですが、実は先週辺りからもう1つ、二階さんが奇策に出るという。
二階幹事長の奇策 ~高市氏を2位に入れて岸田潰し
垣花)奇策に。
森永)二階派をまとめて、全部1回目の投票で高市さんに回すということです。そうすると、高市さんは2位になる。つまり、「岸田さんを決選投票に進出させない」ということができるのです。
垣花)それをやらなければ、「岸田さんが決選投票で勝つ」というのが大方の見立てですから、岸田さんを総裁にはしたくないということですか?
森永)岸田さんは二階さんに向かって、「総裁を除く党役員は1期1年、連続3期まで」という案を打ち出し、事実上の「二階切り」をしたのです。
垣花)それに乗っかって、菅さんはああいうことになってしまったわけですね。
森永)二階さんは表面上、「人事はご自由に」という態度でしたが、腸が煮えくり返っていたと思います。岸田さんを絶対に許さないと思っているはずです。岸田さんを決選投票から落としてしまえば、「岸田の野郎、ざまあみやがれ」ということになるわけです。
垣花)だから意地でも高市さんを2位にしたい。
二階氏の奇策を知り、安倍前総理が「高市支持」を止めた
森永)それを見切ったのが安倍前総理です。安倍さんはそれまで、あちこちの支援団体、議員に電話をかけまくって、「高市をよろしく」と高市氏の支持を増やして行ったのですが、この二階戦略がわかった途端に何をしたかと言うと、それを止めたのです。止めたことが、スポニチのいまの投票予想になっているのです。
垣花)安倍前総理はなぜ「止めろ」と指示を出したのですか?
森永)もし「高市-河野決戦」になると、河野さんが勝ってしまうのです。
垣花)「岸田-河野決戦」だと岸田さんが勝つ。しかし「高市-河野」だと河野さんが勝つ。その理由は何ですか?
森永)高市さんは支持基盤が弱いです。だから河野さんの方が圧倒的に強い。それは1回目の投票数でも明らかなわけです。
河野氏に勝って欲しくない、安倍氏・麻生氏 ~決選投票は「河野-岸田」か
垣花)つまり岸田さんが負けて「河野-高市」になったとき、岸田派には、「タカ派の色が強い高市さんには乗れない」という人たちもいるということですよね。
森永)安倍・麻生グループは河野さんが大嫌いなのです。麻生派なのですけれど、麻生さんから嫌われているという特殊な人です。なぜかと言うと、58歳で若いからです。「こんな人に総理大臣になられたら、自分たちの出番がなくなってしまう」という焦りがあるし、突破力がある。河野さんは普通の国会議員とは少し違います。
垣花)政策の色も明らかに違いますよね。
森永)「河野さんになって欲しくない」というのが安倍さん、麻生さんの本音なのです。
垣花)重鎮の皆さんの動きに付け加えておくと、菅総理は河野さんを推しています。河野さんが勝つと、逆に菅さんはキングメーカーになってしまう。
森永)そうなのです。だから私は、決選投票は多分、「河野-岸田」になると思うのです。
垣花)普通に行けば、「河野-岸田」なると。
森永)二階派は47人いるのです。「47未満になるかどうか」が勝負です。つまり河野さんが47ビハインドに収まっていれば、最後は二階グループが「ドーン」と河野さんに行って、河野さんが勝つと。
垣花)岸田さんはそうならないために、二階さんに直接会って、「党役員の3年任期の発言ですけれど、あなたを降ろそうという意図は別になかった」という説明をしたと言われていますよね。
森永)そうですが、もう何をやったかは明らかではないですか。
垣花)許すわけがないと。
二階幹事長のウルトラC
森永)もっとすごい二階さんのウルトラCがあって、「もう河野さんでは勝てない」と思ったら、岸田さんのところに電話をかけて、「わかった」と。「では二階グループはお前を支援してやろう。その代わり、幹事長は俺だ」と。
垣花)もしそれがまかり通ったら、岸田さんは国民からどう見られますか?
森永)でも、自民党総裁選のときというのは、「毒まんじゅう」が飛び交うのですよ。
垣花)毒まんじゅう、いろいろな空手形や実現するかどうかわからない約束をしながら、票を動かすわけですね。
森永)それが永田町では飛び交っているのです。
わずか数票差で岸田新総裁に
垣花)二階さんの裏技も炸裂する可能性はありますが、「予想通り岸田新総裁ではないか」というのが森永さんの見立てですね。
森永)多分、本当に「わずか数票差で届かず」ではないかな。でも読み切れないですよ。流石の二階さんも正確には。
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