ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月22日放送)に立憲民主党・逢坂誠二元首相補佐官が出演。代表選に立候補した理由について、また立憲民主党のあり方や政策について語った。
代表選に立候補した理由
枝野幸男氏の辞任に伴う立憲民主党の代表選挙が11月19日に告示された。代表選には、逢坂誠二元首相補佐官、小川淳也元総務政務官、泉健太政調会長、西村智奈美元厚生労働副大臣の4人が立候補。30日の臨時党大会で投開票が行われる。
飯田)立憲民主党の代表選が告示されました。立候補された4人の候補者のうち、今回は逢坂誠二元首相補佐官にお話を伺います。代表選への立候補についてですが、逢坂さんのツイッターなどの発信を見ますと、当初かなり否定的であったところもお気持ちとして書かれていました。どういうお気持ちの変化で、今回の立候補に至ったのでしょうか?
逢坂)私は自分から進んで地位を取りに行こうというタイプの人間ではないのですが、いまの党内の状況を見ていると、立憲民主党として、さらに政策の幅を広げてもっと多様な方々を包含できる、懐の深い政党にならなければいけない。野党第1党として、政権の次の受け皿になる状況にはなれないという判断があったことが1つです。
飯田)政策の幅を広げて。
逢坂)もう1つ、民主党政権時代から感じていたのですが、党内のガバナンスが甘いところがあるのです。党内をどう統率するか、あるいは組織の整理統合や連携を確実にやりたいという思いがありました。
多くの人が同じ船に乗り、政策の幅を広げなくてはならない
飯田)多様性という部分は、立憲民主党がもともと掲げていたところですが、それがうまく行っていなかった。選挙などでもそういうところがありましたか?
逢坂)4年前に枝野代表が1人で頑張って立ち上げた政党です。そのときは55人でしたから、少人数なわけです。当然、政策の幅は55人の範囲に留まります。その枠を広げて行かなければならない。2020年9月に国民民主党さんの多くの方と合流して、政策の幅が広がったと思いますが、それでもまだ不十分です。もっとさまざまな方が同じ船の上に乗らなければいけないと思います。
議員立法を50本以上国会に出しているがそこをアピールできなかった
飯田)有権者の目、あるいはマスコミの報道などでも、どちらかと言うと政権批判が前方に出ていて、政策面が見えて来なかったのではないかという指摘もあります。その辺りはいかがですか?
逢坂)野党の機能の1つとして、政権の監視機能がありますので、政権をチェックするのは当然のことなのです。国会にも議員立法を50本以上出しています。しかし、それをアピールできなかった発信力の弱さもあるのだと思います。
共産党との閣外協力
朝日新聞・峯村健司編集委員)11月21日に朝日新聞のインタビューで、逢坂さんにお答えいただきました。共産党と結んだ限定的な閣外協力について、「衆院選に向けたものであって、パーマネントではない」と。「終わったらリセットする」とおっしゃっていたのですが、選挙を振り返って、閣外協力は失敗だったとお考えでしょうか?
逢坂)小選挙区を見ると、例えば北海道は3区、4区、9区などは3人とも当選しています。比例も含めて。やはり、与党と野党の1対1の構図をつくるということは大事だと思います。一方で比例票について、前回の2017年の選挙で希望の党に入った約900万票は、我が党へ来ていないわけです。この理由はどういうことなのかを分析する必要があります。
峯村)なるほど。
逢坂)もう1つは、今回の選挙の時点で政権交代を目指し、閣外協力まで踏み込んだことが、有権者の皆さんに「なるほど。そうだよな」と受け入れられたのかどうかです。今回の選挙の時点で、政権交代という目標が現実味のあることだったのかどうか、丁寧に考える必要があると思います。
第3の選択はあるのか
峯村)さはさりながら、小選挙区では成果があった。自民党の大物議員も落選させたという意味では成果があったのですが、一方で共産党と一緒に協力するということに対する抵抗感はある。そうなると、第3の選択というのはあるのでしょうか?
逢坂)地域によって温度差があり、今回、1対1の構図をつくるにあたっても、ギリギリとテーブルの両側に座って話し合いをしたところもあるかも知れません。しかし、ある種の阿吽の呼吸で候補が1対1になっているところもあるのです。その辺りは、選挙のやり方をすべて表にしてあからさまにやるのか、あるいは別のやり方があるのか。ここは戦術なので、表にするところと表にできないところがあるのは当然だと思います。
連合との関係について ~コミュニケーション不足だった
飯田)それに関連して、支持母体である労働組合。連合側の会長は「共産党とやることはあり得ない」という発言もされていますが、逢坂さんは労働組合との関係も密にやられています。そのリレーションはどうされますか?
逢坂)今回は連合の皆さんとのコミュニケーション不足だったのではないかと感じています。実際に交渉の場に私がいたわけではないので、断定はできませんが、連合の方も神津さんから新しい会長に変わり、そのタイミングのなかで十分にこの問題について意思疎通ができていたのかどうかは、定かではありません。今後はこの部分についても、連合の皆さんとどういう方式がいいのか、きちんとしたコミュニケーションをする必要があると思います。
野党合同ヒアリング ~政権へのチェック機能は必要だが節度も必要
飯田)先ほど、懐の深さというお話がありました。その一方で、野党合同ヒアリングの様子を見ていると、官僚いじめのようにも見えて、むしろ懐が狭いのではないかというイメージになってしまったようなところがあるのですが、あの会議体は今後どうされますか?
逢坂)政権をチェックする機能は、持ち続けないと日本の行政が劣化して行きますので、何らかの形でやらなければいけないと思っています。ただ、野党合同ヒアリングを持つ、持たないという以前に、人としての節度は必要ですので、官僚の皆さんを罵倒するようなやり方は、決していいことだとは思いません。
飯田)やるにしてもやり方があると。
逢坂)そうです。それと、政権に就けばよくわかることですが、官僚の皆さんの働きがなければ行政が回らないわけです。逆に言うと、いまの時点から官僚の皆さんを我々の仲間として、「この人たちと政権を一緒にやったら、こんなメリットがあるのだ」と思わせるようなことをやっておかなければいけないと思います。
生活に困窮している人にスポットを絞って支援するべき
飯田)コロナ禍で経済的にも困っている方がいっぱいいらっしゃいますし、ガソリンの値段が上がって来て、逢坂さんの地元の函館、ニセコの辺りでも皆さん苦しんでいらっしゃると思います。経済政策についてはどのようにお考えですか?
逢坂)まずコロナ禍のことで言いますと、生活に困窮している人にスポットを絞って支援することが必要だと思います。18歳以下や、960万円の所得制限をつけて10万円を配るというのは、経済政策なのか困窮者支援なのかよくわからないところがありますので、スポットを絞った支援が必要だと思っています。
事業者への支援が足りない
逢坂)事業者への支援に関しては、岸田さんとお互い政調会長としてよく話をしていました。地域を問わず、業種を問わず、事業規模別に事業者に支援をするという点では、2020年に話した時点では一致しているのです。総理になってそれをやっていただけるということは、所信のなかでも述べておりましたので、期待していました。ところが今回、蓋を開けてみると、規模が小さいかなと思います。この点はもう少し上乗せをするか、あるいは他の対策も併せてやる必要があるのではないかと思います。
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