外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が5月20日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。外務省が制作した「ゴルゴ13の中堅・中小企業向け海外安全対策マニュアル」について解説した。
コロナとテロとゴルゴ13
外務省は2021年3月に発表した「ゴルゴ13の中堅・中小企業向け海外安全対策マニュアル」の番外編ストーリー「感染流行下の世界と隙を狙う者たち」とその解説編の動画版を製作した。動画版では、ゴルゴ13の声を俳優の舘ひろしが担当している。
飯田)宮家さんは隔週の木曜日に、産経新聞のコラム「宮家邦彦のWorld Watch」を書かれていますが、今週はいつもと違いますね。
宮家)「コロナとテロとゴルゴ13」というものです。
飯田)ゴルゴ13。
宮家)実は、「外務省とゴルゴ13」の試みは初めてではないのです。外務省には領事局があって、日本の方々が仕事や観光旅行のために外国へ行くでしょう。当然、安全が心配ですよね。それを担当するのが領事局です。お役所仕事で情報を出すのは簡単なのだけれども……。
飯田)渡航情報など。
海外安全対策マニュアルをゴルゴ13で制作 ~さいとうたかを氏に依頼
宮家)読んでくれるかどうか、関心を持ってくれるかどうかが大事なのです。それで、私の同僚が5年くらい前に、ゴルゴ13を使ってみようと思ったらしいのです。その発想自体が、役所らしくなくていいではないですか。
飯田)ゴルゴ13を。
宮家)それで彼は、いまは亡きさいとうたかを先生の事務所に行ったそうです。さいとう先生に「劇画をつくりたいのですが、いかがでしょうか?」と言ったら、「いいけれど書き下ろす時間はない。だから、いままで描いた劇画のなかで使えるコマだけ持っていきなさい」と。それならOKだと言って、全集を何十巻かいただいたそうです。
飯田)それはすごいですね。
宮家)担当者がそれを1巻から全部読んで、ストーリーに合うコマを選び、「ここを使わせてください。セリフを変えますから」という形で始めたのです。
当時の河野太郎外務大臣もストーリーに登場
飯田)確か、河野太郎外務大臣の時代ですね。
宮家)動画版では河野さんが外務大臣役で登場します。
飯田)ゴルゴ13に依頼する役で、ゴルゴが「用件を聞こう」などと言って。
動画ではゴルゴ13にこだわりを持つ舘ひろしがゴルゴの声を担当
宮家)俳優の舘ひろしさんがゴルゴの声をやっていたのです。
飯田)劇画版の冊子だけではなく、動画版もつくって。
宮家)今回もいろいろ領事局の方で、セリフを考えてつくっていたのだけれど、舘さんが「ゴルゴはこんなことを言わないだろう」と助言するなど、とてもこだわりがあったのだそうです。それで劇画版と動画版では、発言が微妙に違う。
飯田)なるほど。
宮家)両方観たら彼のこだわりがわかります。一生懸命、スタッフの人たちが頑張ってつくってくれたそうです。
「感染流行下の世界と隙を狙う者たち」ではコロナ感染についても
飯田)2017年当時は、海外に渡航した場合のテロの脅威などについてやっていましたけれど、2020年からは……。
宮家)「コロナ」プラス「テロ」だと。
飯田)だから新しいものをつくったのですね。
宮家)なかなか外国に行けないではないですか。「久しぶりに無防備に行くと、テロがありますよ。またパンデミックになる可能性もあります」と、いろいろなことが書いてある。情報発信という意味ではいい試みだなと思います。
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