東京都医師会副会長で感染症担当、「角田外科消化器科医院」院長の角田徹氏が6月3日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。新たな「ノババックス製ワクチン」について解説した。
新型コロナワクチン ~3回目の接種状況
飯田浩司アナウンサー)新型コロナウイルスのワクチンについてですが、現在、3回目の接種状況はどうなっていますか?
角田)65歳以上は85%前後の方に打っていただいたのですが、若い人たちが3回目接種を躊躇していますので、全体としては、60%にいかないくらいの接種率です。
飯田)いままでと比べると勢いが違いますか?
角田)違いますね。1回目~2回目は皆さん、積極的に打ってくれましたから。
飯田)人の気持ちの部分に関わることですけれども、原因は何なのでしょうか?
角田)やはり1~2回目のワクチン、特に2回目の副反応として、打ったあとの発熱などが若い人たちに多いのです。「かなり辛かった」という方も少なくありません。そういう人たちが、「また同じ目に遭うのではないか」と思い、3回目を躊躇しているのではないでしょうか。
副反応が少ないノババックス製ワクチン
飯田)ワクチンの種類について、これまではモデルナ製とファイザー製がありましたけれども、新たにノババックス製が出てきたことが報じられています。どういうワクチンなのですか?
角田)ノババックス製のワクチンは、いままであったB型肝炎ワクチンなどと同じで、タンパクを組み換えてできたワクチンなのです。データを見ると、発熱などの副反応が少ないのです。
飯田)そうなのですか。
角田)mRNAワクチンであるモデルナ製やファイザー製のワクチンは、接種後に発熱や体の痛みなどで会社を休んでしまう方もいらっしゃいました。そういう人たちがノババックス製を使えば、副反応の頻度は低くなると思います。
飯田)仕事によっては、翌日休めないという方もいらっしゃいます。
角田)ファイザーやモデルナの場合は、次の日休むことができない方だと、土曜日や金曜日に打つ人がかなりいらっしゃいました。ノババックス製はコロナ感染症以外の通常のワクチンと同じように、あまりその辺りは気にしなくても大丈夫ではないかと思います。
4回目の接種には認められていないノババックス製ワクチン
飯田)エッセンシャルワーカーと呼ばれる人たちも、「これだったら打てる」という感じですか?
角田)実はノババックス製は、4回目の接種にはまだ認められていないのです。
飯田)そういうことがあるのですね。1~3回目まではOKだけれど。いろいろあるのですね。
角田)ですから「4回目の接種にノババックス製を使いたい」という要望を出しているところです。
飯田)ご高齢の方、基礎疾患を持っている方、そして医療従事者の方は、4回目の接種が必要になりますものね。
角田)国は「医療従事者」と明記してはいないのですが、感染して重症化したり、働けなくなってしまうと、医療ひっ迫の原因になってしまいます。医療従事者や介護従事者の方々に対しては、早く4回目を打ちたいと思います。
飯田)そういうときに、より副反応の穏やかなものの方がベターですよね。
角田)ベターですね。人員を確保する意味でも有効だと思います。
屋外ではマスクをする必要はない
飯田)これからのマスク着用についてはどうお考えですか?
角田)屋外で他人の飛沫を吸い込む可能性の低いところでは、マスクをする必要はないと思います。季節的にも、これから気温が上がってくるので、熱中症の危険性もあります。また、マスクをすることによって口のまわりに湿疹ができることもありますので、室内では着用する必要がありますが、屋外で散歩したり、運動するときには外した方がいいと思います。
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飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます