ジャーナリストの須田慎一郎が6月13日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。夏の節電要請について解説した。
夏の節電要請
政府は6月7日、2022年夏の電力需給のひっ迫に備えるため、7年ぶりに全国規模の節電要請を実施することを発表した。また火力発電所の突発的な停止を防ぐための点検強化など対応を急ぐ。
飯田)家庭や企業に対し、数値目標付きまでは求めないものの、全国に10ある電力管内すべてにおいて節電要請を行うということです。
須田)いまも電力不足という状況なのですが、電力不足を解消するための方法が節電しかないというのは、どういうことだと思います。
飯田)「欲しがりません……」のような感じですよね。
無計画に再生可能エネルギーを推進させてしまったために起こっている電力不足
須田)「いったい我々はいつの時代を生きているのだ」という感じがします。なぜ電力不足になっているのかと言うと、かなり踏み込んだ言い方になるのかも知れませんが、あまりにも「無計画で無軌道に再生可能エネルギーを推進してしまったため」ではないかと思います。
飯田)東日本大震災があり、そのあと「再生可能エネルギー」を推進しましたが、一連の電力機構改革が現在の状況になってしまっている。
日本で太陽光発電はベースロード電源にはならない
須田)無軌道、無計画ですよ。再生可能エネルギーと申し上げましたが、その中心になっているのが太陽光発電です。でも、太陽光発電に大きく依存していいのでしょうか? 日中以外は発電できませんし、天気の悪い日は発電量が落ちます。それに対してどのように補っていくのか。少なくとも、太陽光発電はベースロード電源にはなり得ないというところを考えていけば、「危うい」ということを、政策当局や電力会社が……電力会社が進めているわけではありませんが、少なくとも経産省を含めて、そのようなところは考えておくべきだったのではないでしょうか。
飯田)太陽光発電はベースロード電源にはならない。
須田)それを補うために、そのツケをすべて既存の大手電力会社が負わなければならない。ではそれをどのように補ってきたのかというと、火力発電です。ところが火力発電は将来的に、二酸化炭素(CO2)、気候変動対応というところで考えれば、「役割を終えていく電力」です。到底、新設は望めない。会社として、そこにお金をかけることはできない。そうなると老朽化したもの、休止しているものを再稼働していくしかないのです。そのようなものはいつまでも持ちません。
なぜすべてのツケを消費者に持ってくるのか
飯田)結果として地震で火力発電所がいくつか止まった3月には、大変なことになって、ブラックアウトかというところまでいきました。
須田)加えて、ウクライナショックで火力発電所のエネルギー源も高騰しています。結果的に電力料金の値上げ等々につながって、すべて私たち消費者にツケがきているではないかと。
飯田)確かに民間企業のインセンティブからすれば、この先、炭素税への取り組みも促進されると言われています。新たに火力発電の設備を増やすということは、株主も納得しませんよね。
須田)だから総合的な戦略を描くことなく、無秩序に「太陽光発電を進めたツケが出てきている」のだということを理解する必要があるし、政府は原因究明をするべきだと思います。「節電」という形で、「なぜ消費者にツケを持ってくるのだ」と言いたいです。
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