当事者にならざるを得ない日本、「抑止力をどうするか」を真剣に国会で議論するべき

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外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が6月17日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。自民党の参院選の公約について解説した。

政治 自民党選対本部の看板前でポーズをとる自民党総裁の岸田文雄首相(右)ら=2022年6月15日午後、東京・永田町の自民党本部 写真提供:産経新聞社

自民党が参議院選挙の公約を発表

自民党は6月16日、参議院選挙の公約を発表した。ロシアのウクライナ侵略などによる物価高騰を受け、「強力で機動的な原油高・物価高対策を進める」と明記した。また安全保障政策では、防衛力を5年以内に抜本的に強化する方針を掲げ、憲法改正の早期実現も盛り込んだ。

飯田)「日本を守る」と「未来を創る」がキーワードだそうです。これで与野党があらかた出そろった感じですね。

宮家)選挙前ですから、いろいろなことをおっしゃるわけだけれども、全体的に少しずつ良い方向に議論が収斂してくれたらいいなと思います。

飯田)収斂。

安全保障の問題に国民が関心を示している

宮家)やはり今は右と左が明後日を向いている時代ではないでしょう。最近聞いたのですが、選挙での国民の関心について、昔は安全保障などは選挙と関係なかったのですけれども、最近は安全保障問題に関心が高まっていると聞きました。これは非常にいいことだと思います。

飯田)安全保障問題に関心が高まることは。

宮家)「現実的な議論・提言をして、それを選挙で訴え、国民が審判する」という形になるのがいちばんいいわけです。それを念頭に置くと、どこの党がいい悪いではないのですが、やはり防衛力を5年以内に抜本的に変える、というのは一つの方向性ですね。「GDP2%」と直接的には言わないけれど、「NATOは2%が目安です」というような形で方向性を示している。これも1つの議論の対象になると思いますから、大いにやっていただけたらと思います。

「反撃能力」、「憲法改正」

宮家)また、反撃能力について、一昔前は「敵基地攻撃能力」という言い方をしていましたけれど、この「敵基地」云々という言葉が出たのは1956年の話です。当時の議論を発展させ「反撃能力」という形で、少し大きな見方で議論するというのは、当然のことだと思います。あとは、もちろん憲法改正についても議論すべきです。これも意見が分かれるところでしょうが、自民党は早期改正ということで、一応各党の公約が出揃ったなという感じですね。

防衛費は「総額ありき」ではない ~必要なものを積み上げて総額が決まる

飯田)今回は「安全保障」がいろいろなところでキーワードになっています。立憲民主党は「生活安全保障」というスローガンを掲げています。

宮家)ちょっと違うけれどね。

飯田)防衛費なども総額ありきではなく、メリハリのある予算にすると。

宮家)そもそも「総額ありき」ではないのです。「必要なものを積み上げた結果、総額がこうなる」という話です。そこがポイントだと思います。

「日本の抑止力をどうするか」を真剣に国会で議論するべき ~日本は当事者にならざるを得ない状況にきている

飯田)「日本として抑止力をどうするのか」という議論が、これから先の課題になっていきます。

宮家)そうですね。アメリカの外交安全保障の優先順位が、「インド太平洋」という名の「中国の抑止」になってきた。それを踏まえて、今度はロシアがウクライナ侵攻を始めたわけです。日本にとってはより複眼的な見方で政策をつくっていかなければならない時期ですし、もうすべて昔のような「対岸の火事」ではなくなっています。その意味では、日本の国会で真剣な議論をして欲しいです。議論した上で結論を出していくという、当たり前のことをやって欲しいと思います。のんびりしている暇はありません。

飯田)いままでのように先延ばしでは。

宮家)先延ばしはできないし、先ほども言ったように対岸の火事ではないので、自分自身の問題として議論しなくてはならない。巻き込まれ論ではなく、自分が当事者にならざるを得ないのです。好むと好まざるとに関わらず。

飯田)しかも攻め込むというより、攻められる可能性を考えなければならない。

宮家)そうです。

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