NHK党・浜田聡政策調査会長が6月30日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。参議院選挙における公約について語った。
NHK党・浜田聡政策調査会長 参院選の公約
6月22日に公示された参議院選挙は、7月10日に投開票を迎える。同番組では、選挙期間中各党の代表や党首、幹部に党の公約や参院選の戦い方などを訊く。今回はNHK党の浜田聡政策調査会長。
飯田)公示がなされてから1週間余りというところですが、ここまでの手応えなどはいかがでしょうか?
浜田)我々の党首の立花孝志が大きく話題を振りまいておりまして、ツイッターなどでもトレンドに「NHK党」とあがることが多いように思います。その意味では、既存政党にできないことができる突破力を期待いただければと思います。
飯田)立花さんも「与党がやれないことを我々がやっていく、それで政治を活性化させる」ということを常々おっしゃっています。
浜田)いまはウクライナ危機という状態なので、これまでの平和なときに行われてきた選挙とは違うと思います。そのようなところも意識して選挙戦を戦っていきたいと考えています。
外交・安全保障について
飯田)ウクライナ情勢に際して、国民の外交・安保への関心が高まっていますが、NHK党としてはどのようなことを訴えていますか?
浜田)現実的な外交・安全保障ということを考えていきたいと思います。日本は周りを見渡すと危険な国があります。具体的に言うと中国、ロシア、北朝鮮であり、このような国に対抗するために、現実的な国防力を整える。そのために、防衛費としては国際標準とされるGDP比2%程度への引き上げをするべきだと考えています。
飯田)表現がいろいろとありますが、敵基地攻撃能力について、外への打撃力に関してはいかがですか?
浜田)これも当然、持つべきだと思っています。国民の命と財産を守るために、憲法との整合性などについても、国会での議論を求めていきたいと考えています。
飯田)結果によっては、憲法改正も現実味を帯びてきますが、NHK党はそこは歩調を合わせていく形でしょうか?
浜田)憲法を改正するかどうかというところについては、国民の皆さまが最終的に判断されることなので、最終的には国民投票には何とか持ち込みたいとは考えています。
緊急事態への対処は帝国憲法を参考にするべき
飯田)憲法の具体的な条文で、9条の話や緊急事態条項など、いろいろな話が出ていますが、そこについてはどのようなところに焦点を絞りますか?
浜田)よく聞かれる質問として緊急事態条項がありますが、そこについては帝国憲法の制度設計を参考にしてもいいのではないかということがあります。帝国憲法は本当の緊急事態を想定して設計されています。議会そのものが開けないぐらいの事態を緊急事態として制度設計しているのですが、議会が開けないので法律がつくれないけれど、法律をつくらなければならないときのために「緊急勅令」という制度がありました。
飯田)緊急勅令。
浜田)さらに、内閣も枢密院も機能しないときは、最後の手段として天皇自らが緊急勅令を出すということも可能であったわけです。さまざまな危機の可能性に備えて何段構えにもなっていたのです。このような緊急勅令にも国民の権利を制限することにもなるので、絶対条件としては、緊急勅令は一時的であること、次に議会を開くまでの暫定措置という条件も付いています。そのようなことを参考にしてもいいのではないかと思います。
飯田)かつての大日本帝国憲法の8条及び70条というところで制定されていたものであり、関東大震災のときなどに実際に使われているものですね。
浜田)そうですね。
飯田)かつての帝国憲法においては、緊急事態などもきちんと想定がされていた。
浜田)もちろん、現行では枢密院もありませんし、天皇に対する考え方も明治時代とは異なっているので、いまのままの制度設計では難しいとは思います。しかし、緊急事態への対処については大いに参考にするべきだということを、憲法審査会では訴えさせていただきました。
景気対策としては消費税の減税が効果的
飯田)経済に関して、物価が高まっていることがいろいろなところで報道されています。景気対策については、どのようなことを考えていますか?
浜田)最も重要なのは、消費税だと思っています。消費税は個人消費がGDP全体の半分以上、6割近くを占めているので、消費税の減税をすることが最も景気対策に効果的だと考えています。それ以外にも下げられる税であれば、とにかく下げて欲しいというところで、そこは他の政党さんとの協力も考えています。ガソリン税については、国民民主党さんがトリガー条項の凍結解除ということを粘り強く主張されているので、そのようなところは協力したいと思っています。また、維新の会さんがガソリン税の暫定税率の撤廃を訴えています。
飯田)ガソリンに関しては、政権は補助金を出していますが、この辺りについてはどのようにお考えですか?
浜田)お金を配ることについては必ずしも否定はしていないのですが、配る手間を考えたときに、配るよりも税金を下げる方が手間もかからないので、減税をまず先にして欲しいと考えています。
NHKの受信料を支払わない方の権利を守る
飯田)最後に、有権者の方々に対して訴えたいことをお願いいたします。
浜田)我々はNHKの受信料を支払わない方の権利をお守りしているということで、NHKの受信料をある意味肩代わりをさせていただいています。皆さまに投じていただいた票によって政党助成金というものが入ってきて、それを使って我々は国民の皆さまに還元をしています。今回の選挙で、年金受給者へのNHK受信料無料ということを制度として国に求めていくということを掲げていますが、我々の党のことを知っていただいている方は、すべてNHKの受信料を払いたくない方に対しては、受信料を払わなくていいことにできています。そのようなことを、我々も党としてこの選挙をいい機会としてアピールしていきたいと考えています。
NHK党の「NHK受信料」以外の主要な議題について
飯田)憲法改正についても帝国憲法から引きながら、ということも主張されていました。
東京外国語大学教授・篠田英朗)NHK党さんは読んで字の如く、シングルイシューと言いますか、単一の争点に焦点を絞って活動されてきています。今回のインタビューの内容はそこが最後に来たもので、普通の主要な議題についてどのように思っているのかということをご披露いただきました。
飯田)そうですね。
篠田)国会議員になられるからには、重要な場面でいろいろな投票ができるので、このようなチェック機能は重要な反面、小さい政党にどこまでこのような負担を求めていくのかということは、なかなか現実的には厳しいところもあるなという印象を抱きました。
飯田)もう閉じてはいますが、今回の通常国会で、憲法審査会は毎週のように開かれていて、そこでは緊急事態条項などについても議論されていました。私権をどのように制限して、どこから先は自由にするのかという、日本人がいままで曖昧にしてきたところがコロナ禍によって突きつけられるということが起こりました。
篠田)NHK党さんが外交・安全保障の話をされていました。このような情勢なので、ここは帯同の表明が必要だろうということは、その通りだと思います。どこまでNHK党さんが調べられて精緻な判断をされるのかというところは、我々としても微妙感のあるところです。ただ、表明は重要だと思います。
飯田)帯同の表明は。
篠田)さらに一層微妙なのは憲法問題です。おそらくNHK党さんは、憲法上の権利などにご自身たちが中心になって扱われている議題の観点から、大きな関心を持っているのだろうと思います。緊急事態条項が直接NHKの問題に関わるものではないものの、理論的にはまったく関わっていないわけではない。もしかするとある程度関わってしまうかも知れないという話になると、この関わり方は「微妙な要素があるな」とお聞きしていて感じました。
(*編集部注:NHK党・浜田聡政策調査会長へのインタビューは6月29日に収録)
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