安倍氏亡きあと「日本はどうやって方針をつくるのか」 西側諸国が注視する岸田政権の安全保障への動き

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ジャーナリストの佐々木俊尚が8月17日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。浜田防衛大臣とオースティン国防長官の電話会談について解説した。

政治 自民党本部に設置された安倍晋三元首相の献花台に手を合わせる人たち=2022年7月11日午後、東京・永田町の自民党本部 写真提供:産経新聞社

浜田防衛大臣がオースティン国防長官と電話会談

浜田防衛大臣とアメリカのオースティン国防長官が8月16日、電話で会談した。8月4日からの中国の軍事演習、また日本の排他的経済水域(EEZ)への弾道ミサイル発射を強く非難するとともに、いかなる事態にも対応できるよう日米が緊密に連携していくことで一致した。

飯田)浜田大臣は就任後、初めてオースティン長官とおよそ30分間協議したということです。

佐々木)「今後の日本の安全保障をどうするのか」というのは、安倍元首相が首相時代に引いた路線があります。「アメリカにはもちろん頼らなければいけないが、それだけでは今後、心配である」と。

今後の日本の安全保障のため、アメリカを含む広域な集団的自衛権を確立してきた安倍元総理 ~岸田総理はどうするつもりか

佐々木)アメリカは世界の警察から撤収し始めていて、海外にあまり興味をもたなくなってきている。だからこそ「自由で開かれたインド太平洋」という形で、インドや西側の国を巻き込んだ安全保障体制、ある種の集団的自衛権のようなものをつくりましょうと。同時にクアッドのような枠組みもつくるという、アメリカだけではない、アメリカを含む広域な集団的自衛権を確立することで対応してきたのです。

飯田)安倍元総理が。

佐々木)アメリカなどの他の国から見れば、「日本は今後、安倍さん亡き時代に、どうやって方針をつくっていくつもりなのか。岸田首相はいったい何を考えているのか」という心配があります。我々国民からしても「自民党はどうするのだろう」と思います。

日本だけ「インド太平洋戦略」がない

飯田)折しも2022年は、「戦略3文書」と呼ばれる「国家安全保障戦略」と「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」が新しくなります。小谷哲男さんがツイッターで指摘していたのですが、「日本だけインド太平洋戦略がないのだよね」と。

佐々木)そこまで整備しないままきてしまったということですね。

飯田)概念としては最初に旗を振ったのだけれども、そうなのかと思いました。

佐々木)初動はよかったのに、あとがついてこないというのは、日本にはありがちな政策の失敗ですね。そうは言いながらも、イギリスと日本で次期戦闘機の共同開発をしたり、ドイツが太平洋側に戦闘機を飛ばしています。

太平洋の西側諸国とも団結し、「拡大したNATO」に持っていこうとするヨーロッパの動きも ~日本はその方向に進むべき

佐々木)ヨーロッパもウクライナ侵攻をきっかけに安全保障を見直した方がいいという話になり、アメリカが頼りにならなくなってきているなかで、「西側諸国で団結しよう」という流れがあります。ヨーロッパ域内だけではなく、日本やオーストラリア、ニュージーランドを含めた太平洋の西側諸国とも同じような形で、拡大したNATOのイメージに持っていこうという案がドイツ・イギリス辺りから出てきています。日本はその方向に進んでいくべきです。

飯田)そうすると憲法問題になるかも知れないですね。議論しなければいけない。

佐々木)例の安全法制で散々叩かれて、日本は一歩踏み出したわけですが、それをもう少し踏み出して、さらに集団的自衛権をどう確立するかという話になってきているのだと思います。

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