レンジで2分! 料理家が教える「たんぱく質」がたっぷりとれるスープの作り方

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料理家でスープ作家の有賀薫さんが、上柳昌彦アナウンサーがパーソナリティを務める、ラジオ番組「上柳昌彦 あさぼらけ」内コーナー『食は生きる力 今朝も元気にいただきます』(ニッポン放送 毎週月・金曜 朝5時25分頃)にゲスト出演。忙しい現代人にスープをお勧めする理由、マンネリレシピのメリット、レシピの増やし方、有賀さんがよく作るスープや、たんぱく質がたっぷり取れる「豆乳卵スープ」のレシピも紹介した。

レンジで2分! 料理家が教える「たんぱく質」がたっぷりとれるスープの作り方

有賀さんは家族の朝食にスープを作り始め、 2013年、スープの写真を展示した『スープ・カレンダー展』を開き、スープ作家に。『有賀薫の豚汁レボリューション』(家の光協会)、『こうして私は料理が得意になってしまった』(大和書房)といった書籍出版のほか、スープのイベント開催や数多くのメディアへの出演、各種SNSを通してスープの魅力や情報を発信している。

■忙しい人にこそ、具沢山の栄養たっぷりスープがおすすめ

上柳:有賀さんにとってのスープとはどういうものですか

有賀:私の出しているほとんどのレシピは、野菜がたっぷり入っていて、煮物にちょっと近いぐらいのスープなんです。その中に肉や魚を入れることで、一皿でも十分な食事になるぐらいで。

上柳:はい。

有賀:世界中を見ると、忙しくて毎日働いている人達は、そうやっていろんな食材を一つの鍋で煮込んで、豆とか米とかパスタも入れて、お腹を膨らませていて。一皿で簡単に食べているんです。男性も女性も、みんな忙しくなってきている時代ですから。

上柳:そうですね。

有賀:もう少し、台所の仕事を軽くしながらも、栄養たっぷりで、おいしく食べられる方法はないかな? と考えています。

上柳:具沢山、なのですね。

有賀:そうです。みそ汁も“ジャパニーズ・スープ”ということで、すごく優れた食べ物ですよね。

■レシピは“マンネリ”でOK! 料理がどんどん上手くなる

上柳:スープを何回も繰り返し反復して、同じ素材を使ってずっと作っていたら、ちょっとの差を感じられるようになっていったそうですね?

有賀:例えば、お味噌汁を毎日作っていると、目分量で作っても味が安定していると思うんですが、とんかつを1か月続けて作らないですよね?

上柳:そうですね。

有賀:でも、とんかつ屋さんは毎日何十枚ものとんかつを揚げているから、やっぱりあっという間に上手くなる。私もスープは毎日作っていたら、すぐに上手くなったんです。

上柳:なるほど。

有賀:よく、「毎日のご飯がマンネリになっちゃうんです」と言われる方がいますが、そのマンネリこそが、料理が上達する近道なのかなと思っています。

上柳:自信をもって繰り返していけば、料理がどんどん上手くなっていくということですね。

有賀:はい。

上柳:「おばあちゃんの肉じゃがはおいしい!」みたいなのは、昔は同じようなものを毎日作っていたからなのかもしれませんね。

有賀:そう、今ほどのレシピは無かったと思います。和、洋、中、そしてエスニックとか、毎日いろんなものを作っていますから。となると、1回作っても、次に作るのは1か月後となると、忘れちゃいますよね。元々、私はいろんな料理を作るタイプではなくて、一つのものだけを作っていたので、上達したのかなと思っています。

レンジで2分! 料理家が教える「たんぱく質」がたっぷりとれるスープの作り方

■有賀さんが実際に作っている、簡単スープ

有賀:みなさんから「どうして毎日、こんなにいろんなスープを思いつくのですか?」ってよく質問をされて。でも、本当に簡単なスープを作っているんですよ。

例えば、

・小松菜をさっと炒めて

・そこに、刻んだベーコンを入れる

・水を入れて煮て、塩で味をつけるだけ――とか。

他にも、

・にんじんをバターで蒸し煮する

・水を加えて、柔らかく煮込むだけ――とか。

基本的に私は、「だし」をたくさん使わずに作れる、素材の味をいかしたスープを多く作っています。

■レシピが無限に!「スープの方程式」

上柳:著書『こうして私は料理が得意になってしまった』の中で、「スープの方程式」という気になる内容がありました。

有賀:スープを作る時、コンソメキューブみたいなものを、お湯の中にポン! と入れると思うのですが、そうすると、何でもコンソメキューブの味になっちゃうんですよね。

上柳:ほう。

有賀:なので、先ほど紹介したような、なるべく素材の味を活かす方法でスープを作っているんです。

上柳:はい。

有賀:「スープの方程式」ですが――

(1)具材

(2)だし

(3)調味料

(4)オイル

この4つをどういう風に組み合わせるかで、無限の組み合わせができます。

上柳:確かに、こう考えると無限ですね。具材だけでもたくさんありますし。

有賀:例えば、よく使う「キャベツ」だけでも簡単に3種類は作れます。

洋風スープなら――

・キャベツを刻む。

・オリーブオイルで炒めて塩で味付け

・お好みでベーコンやソーセージを刻んで入れる

・水を入れて煮込み、コンソメキューブを入れる

中華風のスープなら――

・刻んだキャベツ、ひき肉を用意

・ごま油で炒める

・水を入れて煮込む

・中華だし、しょうゆ、ラー油で味付け

「ごま油」とか「ひき肉」を使うだけで、なんとなく中華風になるんですよね。

和風のスープなら――

・刻んだキャベツを、和風だしで煮込む

・みそで味付け。

これはキャベツのみそ汁ですね。

上柳:「具材」「だし」「調味料」「オイル」の組み合わせだけで、パパパッとできるわけですね。

有賀:そうです。調味料も、塩、しょうゆ、みそ、他にもちょっとお酢を入れたり、砂糖を入れたりすることで、バリエーションが出ます。

上柳:オイルも、「ごま油」だと中華、「オリーブオイル」だと洋風とかイタリアンとかになりそうですね。

有賀:オイルは、バターを使ってもおいしいですよ!

上柳:ああ、いいですね。

有賀:「だし」は“使わない”という手もあります。野菜や肉からしっかり味を出せば、使わなくてもおいしいので。「オイル」も、みそ汁みたいに使わないで済ませるのもありです。こうして、「具材」「だし」「調味料」「オイル」を入れる・抜くも合わせて考えれば、いろんなスープができますよ。

上柳:なるほど。

有賀:野菜は春夏秋冬でいろんな野菜が旬でありますから、その季節に合わせた野菜を使うことで、うま味もすごくいっぱい出てくるので。意外と一年間飽きずに作ることができます。

レンジで2分! 料理家が教える「たんぱく質」がたっぷりとれるスープの作り方

■レンチン2分!「豆乳卵スープ」の作り方

有賀:スープは秋~冬の食べ物って思っている方も多いと思いますが、夏もぜひ食べてほしいです。夏は食欲がすごく落ちて、さらっとしたものしか喉が通らなくなってきますよね。「そうめんでいいや~」みたいな感じで。

上柳:体の中に熱を持っていると、どうしてもそうなるんですよね。

有賀:レンジでできるスープも意外とたくさんありますから。例えば、「豆乳卵スープ」。これ、すごくおいしいし、不足しがちなたんぱく質を、豆乳と卵でたっぷり取れます。

上柳:味はどんな感じなんですか?

有賀:豆乳鍋みたいな感じです。温かくなった豆乳に卵が溶け込むので、おいしいですよ。

上柳:超簡単に作れる、豆乳鍋?

有賀:そう、超簡単です。食欲がない時、作る気も起きない時もサッと作れるので。これで栄養を取ってほしいです。

上柳:疲れてヘトヘトだけど栄養も取りたい! という方に、これだったら簡単に作れるはず、と考えたそうですね。

■「レンジで簡単!豆乳卵スープ」の作り方

【材料】

・無調整豆乳:200ミリグラム

・卵:1個

・めんつゆ:3倍濃縮大さじ1

・(トッピングは、揚げ玉、桜えび、刻みネギ、ワカメなどなど、お好みで!)

【作り方】

(1)レンジOKの器に、生卵と豆乳を入れる

(2)この後レンジに入れるので、卵に数か所穴を開け、破裂しないようにする

(3)器にラップをかけ、500ワットで2分~2分半レンジで温める

(4)卵が半熟になっていたらOK

(5)めんつゆと、好きなトッピングを入れて完成!

めんつゆと、好きなトッピングを入れて完成!

上柳:ちなみに、ネットで【豆乳 有賀】と検索すると、いろんなアレンジが見られるそうですね?(笑)

有賀:そうなんですよ(笑)。みなさん、すごくアレンジが上手なので見てみてください。

食材を少し工夫するだけで、一皿でいろいろな栄養がたっぷりとれるスープ。健康的なものは食べたいけれど、何品も作るのは大変、そんな気力は無いという時に、野菜、肉や魚、さらに米やパスタなども加えてみたりして、スープをメインの食事にしてみては。

スープ作家の有賀薫さんと、上柳昌彦アナウンサーの詳しいトーク内容は、「食は生きる力今朝も元気にいただきます」特設コーナーHPから、いつでも聞くことが可能だ。

番組情報

食は生きる力 今朝も元気にいただきます

毎週月曜・金曜 5:25頃

番組HP

「上柳昌彦 あさぼらけ」内で放送中。“食”の重要性を再認識し、「食でつくる健康」を追求し、食が持つ意味を考え、人生を楽しむためのより良い「食べもの」や「食事」の在り方を毎月それらに関わるエキスパートの方をお招きしお話をお伺い致します。
食の研究会HP:https://food.fordays.jp/

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