外務省が「情報戦」への対応を強化 日本は新しい戦争へどう対応するべきか

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慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授の土屋大洋が8月25日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。外務省が2023年度予算の概算要求で対応を強化する方針を示した「情報戦」について解説した。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

情報戦

外務省は8月23日、2023年度予算の概算要求で「情報戦」への対応を強化する方針を示した。ウクライナ情勢に関し、ロシアの侵略を正当化するような誤った情報がソーシャルメディアネットワーク(SNS)上で流れるなどしており、AIを使った情報収集・分析に取り組む方針だ。

飯田)一連の戦いで、情報戦も含めて日本としてどう対応するかですよね。

土屋)「情報戦」という言葉が今回は使われたのですが、いま自衛隊の人たちと話すと「認知戦」という言葉をよく使います。我々の認知をどう正しく保っているかということが、とても重要だと言われます。

認知戦……我々の認知をどう正しく保っているかが重要

土屋)2016年のアメリカ大統領選挙のように、いろいろな偽情報、フェイクニュースが入ってくるわけです。考えてみれば、外国の勢力が私たちの頭のなかに手を突っ込んでぐるぐるかき回し、私たちが正しく周りを認知できるかどうかを左右しようとしているわけです。

飯田)正しく認知できるかどうか。

土屋)IT、情報技術というものは、目と耳を使って情報が入ってきます。そのデバイスに入っている情報は正しいのか、それを通じて入ってくる情報が正しいのかというところが問題になっている。言い過ぎなところもあるかも知れませんが、IoTとよく言われますけれど、いま、私は「IoB」という言葉をいろいろなところで使うのです。

飯田)IoBですか。

将来、情報技術が体内に入ってくる可能性も

土屋)つまり、「Internet of Brains」もしくは「Internet of Bodies」。それがつながって「Internet of Behavior」と言うのです。私たちは時計やスマホで情報技術を使っていますが、10年~20年先にはメガネや体内に入ってくる可能性があるのです。

飯田)体内に。

土屋)私たちの体調を管理するために、身体のなかに浸透してくるかも知れない。特に兵士です。自衛隊はそこまでなかなかいかないと思いますが、ロシアの兵士に対してそういうことが行われるかも知れません。逆に、そういうシステムに対する攻撃も始まるわけです。我々がどうやって周りを認知するかというところが、危ない未来の戦争の状況になると思うのです。

政府が力を入れる人工知能 ~それにはビッグデータが必要

飯田)IoBでつながったときも、ネットワークが必ず神経のように張り巡らされるわけですよね。そこも守らなければいけない。

土屋)いま、戦闘機にパイロットが乗ると、ヘルメットを被ってそこで通信するということがあると思うのですが、40年前に『ファイヤーフォックス』という映画があり、頭のなかで考えるだけで戦闘機を操縦するという空想の世界があったのです。しかし、いまはそういうものを本気で考える人たちが出てきています。

飯田)頭で考えるだけで操縦できる。

土屋)戦争のあり方が変わってきます。人工知能は、まさに政府が力を入れたいと言っているわけですが、人工知能の前提は機械学習を行う、深層学習を行うということです。それにはビッグデータがないとダメなのです。

今後は超ハイブリッド戦を考えなくてはならない ~どう新しい戦争に対応していくか

土屋)ビッグデータを誰が持っているか、どうやってデータを取るかというところが、争いの最先端になってきています。中国は昔、「超限戦」という言葉を使いました。限界を超える戦いということです。現代的に言うとハイブリッド戦なのですが、ハイブリッド戦も進化しなければいけない。超ハイブリッド戦を考えなければいけません。日本政府はいま、防衛省も防衛計画の大綱、国家安全保障戦略を書き直そうとしています。

飯田)そうですね。

土屋)どうやって新しい戦争に対応していくかを考えなければいけません。本当にクリティカルな半年になると思います。これから政府が年末にかけてどういう方針を出していくか。防衛費が増えるようですが、それを有効に使わなければダメだと思います。変な買い物などに使うということではいけないと思っています。

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