東京都医師会理事で「セントラルクリニック」院長、日本内科学会総合内科専門医の蓮沼剛氏が8月22日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。肺がんについて解説した。
肺がんになるリスク
飯田浩司アナウンサー)肺がんの基本的な姿を教えてください。
蓮沼)リスクとしては、アスベストばく露歴も重要です。
飯田)アスベストの話はニュースで見聞きします。
蓮沼)古いビルを壊すと、まだアスベストは出てきます。
飯田)いまも。
蓮沼)かなり昔にアスベストにばく露された人が、あとになって発がんすることもあります。
1980年以降、男女ともに増加が続く肺がん
飯田)肺がんに罹患する人の数は増えているのですか?
蓮沼)増えてきています。1980年代以降、男女ともに増加し続けて、がん全体に占める割合も高くなっています。
初期の場合、自覚症状がないことが多い
飯田)自覚症状はありますか?
蓮沼)呼吸器の症状としては、痰に血が混ざる血痰、咳が出る、呼吸困難、胸痛など。その他の症状としては倦怠感、食欲低下、体重減少などがあるのですが、自覚症状がない場合もあります。初期の場合はほとんど症状がないことが多いですね。
「東京から肺がんをなくす会」での会員制ドック
新行)肺がん検診はどのように行われているのですか?
蓮沼)肺がん検診が推奨される年齢は40歳以上です。胸部のレントゲンと喀痰細胞診を同時に行うことが推奨されています。レントゲンはどうしてもある程度の見逃しが出てしまいます。
飯田)肺がん検診に引っかかった場合には、精密検査に移っていくのですか?
蓮沼)そうですね。通常はレントゲンのあとにCT検査を行います。例えば肺のなかに結節という小さな塊があり、それが怪しいものであれば、気管支鏡検査などの精密検査に進むと思います。
飯田)胸部X線などでは見逃しがあるというお話でしたが、いきなりCT検査を行うわけにはいかないのですか?
蓮沼)東京都予防医学協会に「東京から肺がんをなくす会」という、歴史ある会があります。
飯田)「東京から肺がんをなくす会」。
蓮沼)ここの会員制ドックは、半年に1度CTを撮っていただき、喀痰細胞診も併用しています。
最低でも1年に1回は肺がん検診を受ける
新行)肺がん検診を受ける場合、どのくらいのスパンで見ればいいですか?
蓮沼)通常は、肺がん検診のレントゲンは年に1回です。症状が出た場合は医療の対象ですから、検診に関係なく受診された方がいいと思います。
飯田)予防という意味では年に1度でいいですか?
蓮沼)最低、年に1度です。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます