自民党が次期大阪市長選で狙う「アナウンサー」 水面下で動き始めた「統一地方選挙」

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ジャーナリストの須田慎一郎が11月7日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。2023年に行われる統一地方選挙について解説した。

自民党が次期大阪市長選で狙う「アナウンサー」 水面下で動き始めた「統一地方選挙」

「大阪維新の会」による大阪市長選候補者予備選の第二次選考会で、候補者に決まった(左から)横山英幸・大阪府議と岡崎太・大阪市議。右は大阪維新の会の吉村洋文代表=2022年11月4日午後、大阪市北区 写真提供:産経新聞社

統一地方選に向け自民党が地方組織の意見を聴取

自民党は11月6日、北海道、東北、関東の各都道府県連の政策責任者を党本部に集め、会議を開いた。2023年度の予算編成や税制改正の議論に、地方の意見や要望を反映させるのが狙いで、2023年の統一地方選挙を視野に地方を重視する姿勢を示した。

飯田)2023年の春先に統一地方選挙が行われる予定ですが、もう半年を切りました。

来春の大阪市長選挙に向け、「大阪維新の会」が予備選 ~2人が最終選考に

須田)半年くらいあるので、まだ先なのかなと思っていたのですが、水面下では、ここへ向けての激しい動きが既に始まっています。2023年春に大阪市長選挙があるのですが、日本維新の会の関係団体である地域政党「大阪維新の会」は松井さんが引退されるものですから、予備選を行っています。

飯田)松井一郎さんは、いまの大阪市長です。

須田)それが交代するわけですけれども、では誰を維新から出すのかというところで、予備選が行われています。予備選は2段階あって、まずは10人程度を集めて選考し、5人くらいに絞り込んで、さらに5人を2人に絞り込む。その予備選に、私は選考委員として行ってまいりました。

飯田)選考委員が発表されたときもニュースになっていましたし、この番組でも取り扱いました。

須田)ニッポン放送関係の人が多い。

飯田)そうなのですよ。キャスターの辛坊治郎氏、ジャーナリストの須田慎一郎氏、そして国際政治学者の三浦瑠麗氏らが務められました。

激しく行われる統一地方選挙に向けての前哨戦

須田)統一地方選挙に向けての前哨戦は激しく行われていて、例えば大阪市の自民党は何をしているかと言うと、私が聞いたここだけの話では、主だったすべての在阪の放送局のアナウンサーに声を掛けているそうです。

飯田)顔ぶれを揃えなくてはいけないですものね。

須田)有名人だと毎日放送のNさんとか。

飯田)ほとんど特定できてしまうではないですか。

須田)どうも色よい返事を誰もが出していないようです。

飯田)誰もが出していない。

須田)知名度争いなのです。短期決戦ですから、名前と顔が売れている人にどうしても向かってしまいがちなのです。おそらく今回の統一地方選挙、また市議や県議、府議の場合は別ですが、自治体のトップになってくると、名前の知れている人、あるいは大組織になる。

統一地方選挙で自民党が負けることがあれば、岸田政権の「終わりの始まり」になる可能性も

須田)同じ政令指定都市で言うと、静岡県の場合は地元の大手企業がいくつかあるのですが、その影響力がとても強い。有権者よりも「地元経済界が推すか推さないか」で出馬するかしないかが決まってしまう。

飯田)地元経済界によって。

須田)知名度よりも企業に顔が向いている。それぞれの地方によって状況が違うのですが、いずれにしても、水面下では動き始めているということです。

飯田)既に。

須田)統一地方選挙で自民党が負けることがあれば、「黄金の3年間」と言われているけれども、岸田さんの「終わりの始まり」になる可能性もあるのではないかと思います。

公明党にとって大きなターニングポイントになる統一地方選挙 ~共産党にも大きな試金石となる

飯田)首長選の場合は、その市町村で1選挙区ですけれども、地方の議会選挙などは中選挙区制を取るから、国政のような協力関係とはまた違ってくるという話があります。公明党も前回の参院選では比例票が伸びなかったため、ここで巻き返そうと必死の形相らしいですね。

須田)いまはないけれども、かつて公明党の票は800万票と言われていたのですよ。

飯田)全国でということですね。

須田)どの程度の票が集められるのか注目されています。これが将来的に自民党のパートナーとして、公明党の存在価値にも直結します。公明党にすれば、この統一地方選挙は議席を確保しなくてはならないことも含めて、いろいろな意味で大きなターニングポイントになるのではないでしょうか。

飯田)大きなターニングポイントに。

須田)加えて、最近は党勢の衰えが指摘されている共産党にとっても、大きな試金石になってくるでしょうね。

飯田)支持者の高齢化なども言われています。

党内での意見が集約されていない立憲民主党 ~選挙には強い泉代表

飯田)立憲民主党は労働組合との関係性や、あるいは消費減税をめぐっても、枝野さんは「消費減税など言わなければよかった」という発言もしています。

須田)原発再稼働の問題も含めて、立憲民主党の場合は、野党としてきちんと意見が集約されていない。原発再稼働の問題などは、原発の立地自治体にとってみれば死活問題ではないですか。その辺りの意見が集約されていないのは厳しい状況ではないかと思います。

飯田)泉さんも世代交代で苦しんでいる部分はあるようですね。

須田)ただ、泉さんは選挙にはかなり強い人なのです。政策ではないと思いますが、10人くらいしか集まらない祭りでも、とにかく行くのです。小さなイベントには必ず行き、全部潰していく。「選挙の鬼」と言われています。

飯田)やはり顔を出すことが票につながっていく。昔から言われますけれども、地道な努力が必要なのですね。

須田)そういう点は、他の立憲民主党の議員も見習うべきだと思います。ドブ板をきちんと踏んで、有権者のところに直接足を運び、汗をかかなければ当選できないと思います。

飯田)そこから政策課題に広げるわけですね。

須田)そうですね。

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