日本も参考にするべきウクライナの「長距離ドローン」の運用 ロシア軍の軍用飛行場を攻撃

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ジャーナリストの佐々木俊尚が12月7日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。ロシア領内を攻撃したウクライナ軍の長距離ドローンについて解説した。

【ウクライナ侵攻】記者会見するウクライナのゼレンスキー大統領=2022年4月23日午後、ウクライナ・キーウ 写真提供:産経新聞社

ウクライナ軍、初めてロシア領内を無人機で攻撃か

ロシア国防省は、西部リャザン州と南部サラトフ州にあるロシア軍の軍用飛行場が12月5日、ウクライナ軍のドローンで攻撃されたと発表した。ウクライナ政府高官も5日、米紙ニューヨーク・タイムズにウクライナ軍による攻撃だと述べ、ロシアのウクライナ侵略開始後、ウクライナ軍がロシア領内深くに攻撃した初めてのケースとみられる。

飯田)ロシア側は報復として、ウクライナのエネルギー施設など17ヵ所を精密兵器で攻撃したそうです。

モスクワも狙える距離まで届く兵器を手に入れたウクライナ ~敵基地攻撃能力

佐々木)すごいことですよね。ウクライナとの国境から600キロも離れている軍用飛行場が攻撃されたのですが、モスクワとウクライナは500キロくらいしか離れていません。単純計算で、ウクライナはついにモスクワを狙える距離まで届く兵器を手にしたということです。まさに敵基地攻撃能力ですよね。

飯田)おっしゃる通りですね。

佐々木)ここ最近、ロシア側はエネルギー施設を攻撃し、ウクライナは停電したりして大変でした。インフラを狙われたらたまらないということで、とにかく国境からいかにロシア軍を遠ざけるかということに苦心していたわけです。その反撃の一環として行ったのでしょう。ロシア軍が国境から後ろに退いてくれれば、インフラ施設を狙われずに済むだろうという目論見だったのではないかと思います。

このドローンをどこから手に入れたのか

飯田)ドローン(無人機)による攻撃ということですけれども、人も亡くなっており、ロシア国防省は3人が死亡したと発表しています。ドローンはここまで進化しているのですね。

佐々木)現状のドローンは、それほど巨大なものはないはずなので、このドローンをどこから調達したのかはまだわかりません。

飯田)大きな無人機で、日本も入れようとしているようなタイプのものだそうです。

佐々木)ウクライナに供与されているトルコ製のTB2は150キロくらい(の航続距離)ですから、それではないと言われています。何かを改造したのではないかという説など、いろいろ出ているようです。

飯田)海上保安庁が入れようとしているアメリカの「グローバルホーク」は、長距離を飛べますが。

中国に対する抑止力として日本も長距離ドローンを持つべき

佐々木)日本でも南西諸島の防衛に、2025年ごろからドローンを導入する計画を立てているようです。

飯田)南西諸島の防衛に。

佐々木)まさに我々の国が「反撃能力をどこまで持つか」という議論と重なってくるわけです。ドローンの利点は、低い高度を目立たずに飛ぶことができるところです。

飯田)低い高度で。

佐々木)しかも無人なので、攻撃する側の被害の心配がない。日本では、反撃能力を持つと「自衛隊の被害がどうなるのか」という議論が起こるのだけれども、ドローンであれば少なくとも、自衛官が被害を受けることはほぼないでしょう。

飯田)そうですね。

佐々木)そういうことを考えると、日本も長距離ドローンを持つことによって、中国に対する抑止になるのです。それをもう少し真面目に考えなくてはいけない時期に来ていると思います。

飯田)中国に対して。

佐々木)いまのところ日本で導入しようとしているのは、アメリカの「スイッチブレード」という距離も滞空時間も短いものです。今回のウクライナの反撃を見て、「もう少し大きいものを導入してもいいのではないか」という議論が高まる可能性はあるでしょうね。

海上保安庁が運用する大型無人航空機「シーガーディアン」

飯田)海上保安庁は、監視や哨戒のための大型無人航空機として、「シーガーディアン」の運用を既に開始しています。昔、シーガーディアンについて取材したことがあり、「ジェネラル・アトミクス社」がドローンの展示会に出していたのです。

佐々木)日本の展示会ですか?

飯田)日本です。5~6年以上前なのですけれども、「いまポッドにカメラを付けていますが、これは脱着できて、いろいろなアタッチメントを付けることが可能です」と説明されていました。

佐々木)兵器にもなるのですね。

飯田)「平時にはカメラを付けて災害監視などに使えます。そして有事の際は……」というような説明をしていました。滑走路も短くて済むことを考えると、海上自衛隊が持っているヘリ搭載護衛艦と呼ばれるようなものは……。

佐々木)空母だろうと言われているものですよね。

飯田)戦闘機が発着するには短いかも知れないので、垂直離着陸で対応すると言われていますけれども、いろいろな可能性が出てくるのではないでしょうか。

台湾有事の際、南西諸島を守るためにも長距離ドローンを持つ必要がある

佐々木)中国は、西の中国大陸側からの攻撃では台湾を占領できないので、東側に回り込むだろうという議論があります。

飯田)太平洋側に回り込む。

佐々木)そうすると当然、日本の南西諸島も巻き込まれる可能性が極めて高い。

飯田)本島と宮古島の間で、あそこを通る演習を活発にやっていますよね。

佐々木)ますます南西諸島をどうやって守るのかという議論が重要になります。そのなかで、抑止力として長距離ドローンを持つことは、当然の方向として考えるべきではないかと思います。

飯田)ウクライナの話は、我々の南西の守りとリンクしてきますよね。

佐々木)そうなのですよね。

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