『第五回 アパ日本再興大賞』『第十五回「真の近現代史観」懸賞論文』が発表 ウクライナ危機を通じて日本が学ぶべきこと

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公益財団法人・アパ日本再興財団は、12月8日(木)、東京・明治記念館にて、『第五回 アパ日本再興大賞』『第十五回「真の近現代史観」懸賞論文』の受賞発表会を開催した。

『第五回 アパ日本再興大賞』『第十五回「真の近現代史観」懸賞論文』が発表 ウクライナ危機を通じて日本が学ぶべきこと

東京・明治記念館にて開催された受賞発表会

同財団は、2 月に始まったロシアによるウクライナ侵略について、決して容認できることではないが、核保有国に囲まれている我が国の安全保障を考える上で大きな教訓を与えてくれたとし、今回の表彰を通じて、我が国が真の独立国家として毅然とした態度で国際社会をリードできるよう今後も啓蒙していきたいと意向を示した。審査委員による厳正な審査の結果、『第五回 アパ日本再興大賞』は、小幡敏氏の『「愛国」としての「反日」〜奇形の軍民関係を正す〜』と中村恵子氏の『江戸幕府の北方防衛―いかにして武士は「日本の領土」を守ってきたのか』の2作品に。『第十五回「真の近現代史観」懸賞論文』は、小笠原理恵氏の『「隣国・ロシア」という憂い〜ウクライナの惨状は明日の日本』が最優秀藤誠志賞に決定し、各入選作品の表彰式と、小笠原氏による受賞記念特別講演が行われた。

『第五回 アパ日本再興大賞』『第十五回「真の近現代史観」懸賞論文』が発表 ウクライナ危機を通じて日本が学ぶべきこと

公益財団法人・アパ日本再興財団 代表理事 元谷外志雄氏

最初に主催者挨拶として、公益財団法人・アパ日本再興財団 代表理事の元谷外志雄氏が登壇。元谷氏は、今回の応募に対し220以上の作品が寄せられたと話し、最年少では14歳からの応募もあったことも明かして会場を驚かせた。また、事業活動と言論活動の両立について、「二兎を追う者は、二兎とも得る」と自身の造語を挙げ、「双方があるからこそ、双方が上手くいく」と熱弁。「事業においてしっかりと業績を上げながら、誇れる国、日本の再興を目指すための言論活動にも力を入れていきたい」と意気込みを語った。

『第五回 アパ日本再興大賞』『第十五回「真の近現代史観」懸賞論文』が発表 ウクライナ危機を通じて日本が学ぶべきこと

審査委員の東京大学名誉教授・小堀桂一郎氏

続いて、4人の審査委員がそれぞれ挨拶を。東京大学名誉教授・小堀桂一郎氏は、今回応募のあった作品を読む上で、「力作揃いで、審査員である私どもの方が教えられるということが非常に多かった」と感想を述べた。

『第五回 アパ日本再興大賞』『第十五回「真の近現代史観」懸賞論文』が発表 ウクライナ危機を通じて日本が学ぶべきこと

審査委員の報知新聞社前会長・小松﨑和夫氏

報知新聞社前会長・小松﨑和夫氏は、『アパ日本再興大賞』について、本来1名のみ選出するところを苦渋の決断で2人となったと語り、小幡氏の作品が示す「現代から見た“国を守る”ということ」と中村氏の作品が示す「歴史から見た“国を守る”ということ」の、両方を読むことによって「国土防衛の大切さが分かる」として、合わせて読むことを勧めていた。

『第五回 アパ日本再興大賞』『第十五回「真の近現代史観」懸賞論文』が発表 ウクライナ危機を通じて日本が学ぶべきこと

審査委員の衆議院議員・今村雅弘氏

衆議院議員・今村雅弘氏は、それぞれ『第五回』『第十五回』となる2つの賞に対し、「回を追うごとに充実した作品が増えている」と実感。ウクライナのことを自分たちの問題として真剣に捉える作品に、改めて感銘を受けたことを明かした。

『第五回 アパ日本再興大賞』『第十五回「真の近現代史観」懸賞論文』が発表 ウクライナ危機を通じて日本が学ぶべきこと

審査委員の東京国際大学教授・福井雄三氏

東京国際大学教授・福井雄三氏は、小笠原氏の論文に触れ、その内容に共感するとともに、「大変素晴らしい論文。日本国民にとって必読の論文であると、私は思います」と強く推薦した。

『第五回 アパ日本再興大賞』『第十五回「真の近現代史観」懸賞論文』が発表 ウクライナ危機を通じて日本が学ぶべきこと

評論家 元陸上自衛官 会社員・小幡敏氏

続いて、受賞者がそれぞれ挨拶。『「愛国」としての「反日」〜奇形の軍民関係を正す〜』で『アパ日本再興大賞優秀賞』を受賞した、元陸上自衛官で評論家の会社員・小幡敏氏は、自身の作品について、「日本人としては耳の痛い内容も書いてありますが、日本のために必要だと思っていることは、しっかり伝えていきたいということで、この本に書かせていただきました」と説明。ウクライナの現状が、いつに日本に降りかかるか分からないとし、「国民が本気になって国防に取り組むことが大事。私の本が、そのきっかけになれば」と願いを込めて語った。

『第五回 アパ日本再興大賞』『第十五回「真の近現代史観」懸賞論文』が発表 ウクライナ危機を通じて日本が学ぶべきこと

健康・環境デザイン研究所 所長・中村恵子氏

同じく『アパ日本再興大賞優秀賞』を受賞した、健康・環境デザイン研究所の所長を務める中村恵子氏は、『江戸幕府の北方防衛―いかにして武士は「日本の領土」を守ってきたのか』を通じて知ってもらいたいポイント3つを提言。「江戸幕府の蝦夷地・樺太・千島を守るという国家意思を知ってもらうこと」、「松前藩の、日本における多大な功績を知ってもらうこと」、「樺太・千島を奪われ、今、蝦夷地・北海道が、ロシア・中国・朝鮮半島に奪われようとしている状況を知ってもらうこと」という3つを挙げ、受賞によって、「『日本のために頑張りなさい』という大いなる励ましをいただきました」とコメントした。

『第五回 アパ日本再興大賞』『第十五回「真の近現代史観」懸賞論文』が発表 ウクライナ危機を通じて日本が学ぶべきこと

ジャーナリスト 自衛官守る会 会長・小笠原理恵氏

最後に受賞記念講演として、『第十五回「真の近現代史観」懸賞論文』で最優秀藤誠志賞を受賞した、ジャーナリストで自衛官守る会の会長を務める小笠原理恵氏が登壇。元谷氏のペンネームである“藤誠志”の名を冠した賞に、自身の作品『「隣国・ロシア」という憂い〜ウクライナの惨状は明日の日本』が選ばれたことについて、「元谷会長から直々に受賞のお知らせをいただいたときは、感激のあまり震えてしまいました」と心境を語った。

『第五回 アパ日本再興大賞』『第十五回「真の近現代史観」懸賞論文』が発表 ウクライナ危機を通じて日本が学ぶべきこと

自国を強化する必要性を訴える小笠原氏

この度受賞した作品について、小笠原氏は、「自国を守るのは自国民だけだという、大原則について論じました」とコメント。外国との条約は突然破棄されるリスクがあるということを念頭に置き、日本もウクライナから学び、安全保障体制を構築することが大切であると訴えた。そのためには自衛隊の環境改善が必要であると説明し、近年人員不足が深刻化している問題について言及。「憲法をはじめとする法整備と自衛隊の増強を力強く進めていくことが、平和を維持する原動力」と語り、最後に「自衛隊も日本国も強くあってほしい」と願いを込めた。

これまでも時代に合った作品を選出してきた、『アパ日本再興大賞』と『「真の近現代史観」懸賞論文』。アパ日本再興財団は、代表理事である元谷氏の言葉通り、今後も言論活動に力を入れていく構えだ。

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