海原純子医師が教える「ストレス危険信号」

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12月28日(水)、心療内科医の海原純子先生が、ジャーナリストの笹井恵里子がパーソナリティを務めるラジオ番組「ドクターズボイス〜根拠ある健康医療情報に迫る!〜」(ニッポン放送・毎週水曜21時~21時20分)にゲスト出演。「心の洗濯」をテーマに、6つのストレス危険信号、ストレスを乗り切る方法、心の健康維持に必要なことについて聞いた。

海原純子医師が教える「ストレス危険信号」

以前よりできることが減ってしまった、失敗すると立ち直れない、他人が幸せそうでうらやましく感じる、忙しいとイライラして周囲にあたってしまうなどで、『こんな自分ではダメだ』と悩んでいないだろうか。約30年、ストレス性疾患とかかわってきた海原先生に、今すぐできる、ストレスに強くなる防衛術を聞いた。

■6つのストレス危険信号

笹井:海原先生の著書 『男はなぜこんなに苦しいのか』(朝日新聞出版)に基づき、ストレスに気づかないフリをしていないか、危険信号を挙げてみました。当てはまる人はストレスに気づかないフリをしていないか、自分の心に問いかけてみてください。

(1)優秀にみられるのに、実はアルコールに頼る毎日

(2)仕事が「つらい」と誰にも相談できない

(3)急に自分の能力が通用しなくなった

(4)どんなにがんばっても人事評価で報われない

(5)やたらと攻撃してくる上司がいる

(6)配偶者の機嫌がいつも悪い

■ストレス対策(1)今あるものを一回見る

笹井:人は現状にあるもの、手に入れたものの環境にすぐ慣れるのだそうですね?

海原:これにはきちんとエビデンスがあるんですよ。ハーバード大学の調査なんですが、アメリカも年末の宝くじはすごい金額で、5億とか10億が当たる人もいるんです。

笹井:10億!

海原:笹井さんがもし、年末ジャンボの2億円があったら、一生幸せに暮らせると思いますか?

笹井:思います(笑)

海原:そうですよね(笑)。アメリカの高額宝くじの、その後の精神的な幸せ度調査が行われましたが、当たった直後はもちろん絶好調に幸せだけど、だんだん精神的な幸せ度は目減りしていくんです。2~3か月すると幸せ度がだんだん減り、1年ぐらいたつと平均的アメリカ人とあんまり変わらなくなったんです。

笹井:数億円当たってもですか?

海原:そう、10億円当たってもダメだったんです。ということは、人は無いものを求めるんですよ。

笹井:なるほど。結婚も仕事もそうですよね?

海原:結婚したけど大したことなかった、とか(笑)。子どもが産まれた時は『産まれてくれてありがとう!』と思うけど、1年ぐらいたつと「ああ、もう、うるさいなー!」って思うこともありますよね?

笹井:そうですね。

海原:ですから、「あるものを一回見る」ということが大事です。

■ストレス対策(2)嫌な場所を「居心地よくする」という発想をしてみる

笹井:人は、自分にとって嫌な環境にいる時、「逃げる」か「我慢」かの二者択一になりがちになるのだそうですね?

海原:もちろん、どうしようもない場所からは逃げてください。命の危険があるとかね。私もそれは逃げます。ただ、そこにいないと自分の生活ができない場合。例えば、仕事の中で嫌な人がいる、業務が大変だとか、そういう時は、“その場所を”少し組み替えてみてください。見方を変えて、その場所が少し楽しくなるように組み替えていくことが結構大事です。

笹井:楽しくなるように組み替える。

海原:「どうやって、その見方を変えるか」と工夫する自分に対して、自己肯定感もアップします。

笹井:なるほど。自分を組み替えるのではなく、自分の生活の枠組みの中で、どうしたら居心地良くできるか考えることが大切なんですね。

海原:ものの見方を変えることによって、行動を変えるわけです。認知行動療法の世界なんですが、全部繋がっているんです。

笹井:それによって肯定感が上がるということですね。

海原:はい。

■「心の健康維持」に不可欠な5項目

(1)深呼吸

(2)適度に体を動かす

(3)睡眠

(4)気持ちを話せる仲間や家族

(5)自然とのふれあい

笹井:先生はよく、この5項目を挙げていますよね。

海原:皆さん頭で考えることばかりしているので、それよりも、窓を開けて太陽の光を浴びて、外をひとっ走りした方が絶対に気持ち良くなります!

笹井:当たり前のように生活に取り入れてくださいね、ということですね?

海原:はい。また深呼吸についてですが、20秒続けて吐けない時は、かなり体が固まっている証拠です。

笹井:私は5秒も吐けません(笑)

海原:それは相当なものですよ?(笑)深呼吸のコツはまず、息を全部吐きます。吐かないと、入りません。しっかりと体から息を吐き、そしてクリーンな空気を吸い込めば気分が良くなりますよ。

Podcastでの聴取はこちらから。

番組情報

ドクターズボイス

毎週水曜日 21:00〜21:20

番組HP

「週刊文春 老けない最強食」の著者・笹井恵里子がパーソナリティを務める番組「徳洲会グループpresents ドクターズボイス〜根拠ある健康医療情報に迫る!〜」
この番組は「生命(いのち)だけは平等だ」の理念のもと全国70以上の医療機関を有する徳洲会グループのサポートでお送りします。
毎週ホットなテーマを設け、各専門分野のドクターをゲストに迎えて、そのメカニズムや対処法を分かりやすく伝えていきます。
番組では、感想や取り上げて欲しいテーマなどお待ちしております。

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