ジャーナリストの須田慎一郎が1月2日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。北朝鮮が日本のEEZの外側に放った弾道ミサイルについて解説した。
北朝鮮が1月1日未明に弾道ミサイル1発を発射
1月1日午前2時50分ごろ、北朝鮮の西岸付近から弾道ミサイル1発が発射された。ミサイルは日本の排他的経済水域(EEZ)の外側に落下したと推定されている。北朝鮮は12月31日にも弾道ミサイル3発を発射している。
飯田)年をまたぎ、2日続けてミサイルを発射しています。船舶・航空機への被害情報は入っていないそうです。
須田)北朝鮮サイドの挑発、これに対するメッセージの行き先がアメリカであることは間違いありません。日本・韓国はその対象ではない。アメリカが対応してくれないからこそ、挑発行為がエスカレートしているのだと思います。
日米韓の連携がどういう形で強化されるか ~朴槿恵政権時の日韓人脈が修復されつつある
須田)注目すべきポイントは、日米韓の連携がどういう形で強化されていくのかだと思います。
飯田)日米韓の連携が。
須田)2023年は日韓の関係性強化に注目するべきではないでしょうか。朴槿恵政権のときの日韓の人脈、例えば情報機関や軍における人脈が修復されつつある状況です。
飯田)朴槿恵政権のときの日韓の人脈が。
須田)昨年(2022年)のクリスマスシーズンに、日韓の情報関係者の会合が都内で開かれました。そのとき、朴槿恵政権で韓国の国家情報院のトップだった人間が再着任したため、こちらに戻ってきたのです。
飯田)再着任。
須田)それを囲んでいろいろなやりとりが行われましたが、よい方向に向かいつつあるのではないでしょうか。いきなり具体的な形は出てこないけれども、人脈あるいは人的交流を回復することが連携強化につながっていくのでしょう。そこにはアメリカの情報関係者も来ていました。
文在寅政権で衰退した日韓関係の再構築が進む
飯田)1月1日の各紙紙面のなかで、
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『ミサイル探知情報、日韓が即時共有を検討…現在は事後的な交換で即応に課題』
~『読売新聞オンライン』2023年1月1日配信記事 より
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飯田)……と報じられています。間をアメリカが結び、アメリカ経由でデータが来るということですが、安全保障や情報面から先行していく形になるのですか?
須田)ベースになるのは、人的な関係の再構築というところです。日本より韓国の方が人的関係を大事にします。そういった意味でも、元在日の国家情報院のトップが再着任したことは、大きな意味があると思います。
飯田)韓国の国家情報院そのものに関しても、前の文在寅政権のときは、これを解体しようというような動きまであったではないですか。そう考えると、だいぶ巻き戻しが進む感じになりますね。
須田)解体どころか、文在寅政権は協力できないということで、退職される方が増えたのですよ。
飯田)そうだったのですか。親北政権ということはかなり言われていましたものね。
須田)それが再復帰するような形になってきています。日韓関係もそうですが、韓国国内で文在寅政権のときに衰退した形を、再構築していかなければならない状況があります。ようやく修復の緒についたところだと思います。
日本との関係を修復する方向に進む韓国
飯田)日本としては、やはりトゲとして刺さり続けているのが戦時中の募集工、いわゆる徴用工とされる問題です。既に日本企業の資産は差し押さえられていて、あれを売るのかどうなのか。それとは別の形で、財団をつくって賠償するというような案が出ていて、報道もされています。この辺りは韓国国内の話ですけれども、どうなっていくのでしょうか?
須田)韓国国内、韓国サイドの問題であるから、そのなかで解決を図り、日本との関係修復を進めていこうということです。そういうトレンドが出てきたことは評価していいのではないかと思います。
飯田)インド太平洋戦略を韓国が出すなど、ここへきていろいろなメッセージが出ています。
須田)2023年はその辺りの、日本を取り巻く安全保障環境も大きく変化していくでしょう。だからこそ北朝鮮、あるいは中国、場合によってはロシアも、という動きが出てくるのかも知れません。
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