政府は新型コロナの後遺症に苦しむ「コロナ難民」をサポートするべき
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ジャーナリストの鈴木哲夫が1月12日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。コロナ後遺症により通常の社会生活を送ることができない「コロナ難民」について解説した。
コロナ後遺症
新型コロナウイルス感染者の半数以上が、感染1年後も何らかの後遺症があると訴えたとの調査結果を、大阪公立大学病院の井本医師らのチームが発表した。重症者だけでなく、軽症者も同様の傾向がみられている。
飯田)2020年の1年間に、大阪府内の5病院で治療を受けた感染者285人が対象で、1年後の後遺症の有無などを尋ねたものです。56%にあたる160人が、倦怠感など何らかの後遺症があると回答したそうです。
新型コロナ感染症の後遺症に苦しむ「コロナ難民」を救うべき ~自費で診療を受けなければならない
鈴木)新型コロナの後遺症については、大阪大学の大学院などが約4000人の調査を行っています。新型コロナに関してはいろいろと議論されています。政府による2類から5類への見直しもそうですし、経済活動の再開は当然、やらなければいけません。しかし、一方で取り残された方々、言葉は悪いけれども「このまま捨てられてしまうのではないか」という方々もいるのです。私は「コロナ難民」と表現していますが、そのなかの1つが後遺症に苦しむ人たちだと思います。
飯田)後遺症に苦しむ人たち。
鈴木)コロナそのものであれば国が治療費の面倒をみますし、対応するのだけれども、後遺症は「倦怠感」などと言っても、本当にコロナの影響なのかどうかわからないところがある。そうすると、通常の病気として医療費を払わなければならないのです。
体調不良で出社できずに切られてしまう非正規雇用の人も
鈴木)体調がよくならず、「これは後遺症なのか、何なのか」ということです。治療費もそうですが、倦怠感があるので、会社へ行っても仕事ができない場合もあります。そのため有給休暇を取って休む。しかし、長引いて有給休暇がなくなれば、欠勤扱いになってしまうわけです。
飯田)欠勤扱いに。
鈴木)会社がコロナの後遺症について理解してくれるところはいいけれど、そうでないところは……。
飯田)「あいつは何をサボっているのだ」と。
経済回復とセットで「コロナ難民」をサポートするのも政府の責任
鈴木)切られたり退職勧告される場合もある。非正規雇用の人で切られた人もたくさんいるわけです。コロナの後遺症は、受診できる病院数も少ないですし、政府が何かしらの対応を打ち、支援しなければいけないことの1つだと思います。
飯田)そうですね。
鈴木)しかし、それができていない。経済を回復させて前向きにいこうという部分ももちろんわかるけれど、それとセットで取り残されてしまいそうな人たちをしっかりサポートするのも、政府の責任だと思います。
科学的なデータをもとに早急にまとめるべき
飯田)杉並区の“こんたま”さんからメールをいただいています。「コロナ後遺症についてですが、私は視神経脊椎炎という疾患を持っていて、昨年(2022年)11月にコロナに感染しました。感染中も大変だったのですが、(療養が)明けてからの体調の変化がつらいです。これが後遺症なのかわかりませんが、腰痛、股関節の痛みやしびれ、歩行困難や身体の痛み、しびれ。これがなかなかよくならないというか、だんだん身体が萎えていく気がします。後遺症は回復が見込めるのでしょうか? 3ヵ月過ぎても戻らない身体を持て余しています」と、65歳の方からいただきました。因果関係がどこまであるのか、自分でもわからないけれど、コロナに感染する前とあとでは明らかに違うということは、自分の感覚としてはわかりますよね。
鈴木)その辺りは、どこまで国が支援するかどうかなどの線引きが難しいかも知れません。
飯田)そうですね。
鈴木)しかし、やはりある程度の調査もそうですし、大阪の大学病院の調査など、科学的なデータをもとに何かしらの対応をするという、前向きなことをやらなければいけないと思います。苦しんでいる方はたくさんいるのです。
飯田)典型的な症状があるわけではなく、人によって違うのですよね。
鈴木)これまでのいろいろな調べのなかの1つのデータですけれど、女性のなかには脱毛症状が出るという方もおられます。集中力の低下や、咳が続く方もいます。
飯田)さまざまな症状がある。
鈴木)科学的なデータを早急にでもまとめなければ、放っておかれてしまいます。それではダメです。その他にも、支援金の返済が始まってお店を潰さなければいけない人や、中退した大学生など、コロナ難民がたくさんいるのです。政府はそこを絶対に救わなければいけません。
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