キャスターの辛坊治郎が3月1日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。厚生労働省が2月28日に発表した昨年の人口動態統計(速報値)で年間の出生数が統計開始以来、初めて80万人を割り込んだことをめぐり、「年金制度が崩壊する数字。政治も国民も危機感が足りない」と苦言を呈した。
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出産直後の赤ちゃん
厚生労働省は2月28日、昨年の人口動態統計の速報値を公表した。年間の出生数は79万9728人で前年比5.1%減少した。1899年の統計開始以来、初めて80万人を割り込み、過去最少となった。
辛坊)予想されていたことなので、そんなに驚かないものの、「ここまで減ったのか」というのが正直な感想ですね。今回発表された出生数79万9728人は速報値です。外国人を除いた概数は、さらに少なく77万人前後になる見通しです。
日本の年金の制度設計は、将来の人口推計に基づき構築されています。そして、年金制度は現役世代が支える仕組みになっています。ところが、今回の80万人割れは、最も想定されている将来の人口推計の水準を大きく下回っています。つまり、想定しているシステムが全て崩壊するような数字なんです。この状況が続くと、厚生労働省が「大丈夫」と言っている年金制度の前提が崩れる数字ですよ。
そうした危機感が政治にも国民にも足りません。児童手当を増やすなどの施策を既に何十年もやってきたわけですが、今回の80万人割れという数字は、それらが全く効かなかったことを表しています。もっと抜本的な解決策を考えないと、状況は変わらないですよ。