血圧「上150以上、下90以上」は高血圧の治療が必要

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東京都医師会監事で「さいとう医院」院長の斎藤寛和氏が3月2日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。「高低血圧の症状」について解説した。

血圧「上150以上、下90以上」は高血圧の治療が必要

※画像はイメージです

通常の血圧は最高血圧130以下、最低血圧80以下 ~高血圧は上140以上、下90以上

新行市佳アナウンサー)高血圧はいろいろな病気につながりますが、高血圧は女性よりも男性の方が多いのですか?

斎藤)そうですね。男性の方が不摂生になる機会が多いのかも知れません。女性の場合は、閉経前は女性ホルモンがたくさん出ます。女性ホルモンは動脈硬化に対して予防的に働くので、「女性は守られている」と言ってよろしいかと思います。

新行)血圧の異常は、どのような数値で表されるのでしょうか?

斎藤)いろいろな基準があり、いろいろ変遷を重ねているのですけれど、いまは上130・下80くらいの血圧が正常だと考えられています。高血圧は上140以上・下90以上。血圧は「上と下」と言いますが、脈圧は血管のなかで上がったり下がったりしているので、上の圧と下の圧で表現するのですけれど、140以上・90以上になると高血圧とされます。家庭で測る場合は、もう少し低い状態から高血圧だと考えた方がいいと思います。

朝は血圧が高い ~心筋梗塞や脳出血は朝の時間帯に起こることが多い

新行)同じ人でも時間帯によって変わってきますか?

斎藤)日内変動あるいは年内変動、週内変動など、時間医学的にはいろいろなことが言われています。

新行)そうなのですね。

斎藤)一般的には、朝の血圧が高いとされています。心筋梗塞や脳出血などを起こすのは、朝の時間帯が多いと言われます。季節的なもので言えば、冬が多くなります。外気温が低くなると血管が「ギュッ」と収縮してしまって、狭い状態のなかを血液が通ると圧が高くなってしまうのです。

血圧「上150以上、下90以上」は高血圧の治療が必要

斎藤寛和氏、新行市佳アナウンサー

毎日、朝晩と血圧を測り「血圧手帳」に記録する ~150を超えるようであれば高血圧の治療を始める

新行)気になる方は毎日、記録することが必要ですか?

斎藤)最初に病院に来られて上150・下90くらいある方は、すぐに薬を使うのではなく塩分を制限していただき、「適度に運動してください」と生活指導します。

新行)塩分を控えて運動する。

斎藤)そして毎日、朝晩と、日に2回ぐらい血圧を測って記入する「血圧手帳」を差し上げます。ひと月ぐらいつけてもらって、お家でも150を超すことが多ければ、高血圧の治療を始めることになります。最初から180くらいある方は、緊急避難的にすぐ薬を使い始めることもあります。

自覚症状のない高血圧 ~自覚症状のないままに動脈硬化が進み、死が目前に迫っていることも

新行)高血圧は、人間ドックや健診(検診)でわかることがほとんどだと思いますが、自覚症状はあるのでしょうか?

斎藤)ほとんどの場合、自覚症状はありません。自覚症状がないまま動脈硬化、いわゆる高血圧による血管の変化が進んでしまい、気付いたときには死が目前に迫っている場合もあるので、「サイレントキラー」と呼ばれることもあります。

低血圧が治療対象になることはない

新行)逆に低血圧は、あまり問題ではないのかなと思いますが、いかがでしょうか?

斎藤)低血圧という病気はないと言われています。あるいは「いくつ以下が低血圧ですよ」という定義もありません。低めの血圧で自覚症状があり、ふらつく、倒れる、全然元気が出ないなど、血圧が低いことによって起きると予測される症状がある場合、「低血圧」と呼ぶらしいです。

新行)定義はない。

斎藤)血管にとっては、血圧は低いほどいいだろうと。“The lower,the better”という言い方があるくらいですので、低血圧が治療対象になることはありません。

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