これだけ恐ろしい「大人の風疹感染」

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神奈川県衛生研究所・所長の多屋馨子氏が4月5日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。「風疹」の症状と「先天性風疹症候群」について語った。

これだけ恐ろしい「大人の風疹感染」

※画像はイメージです

風疹ウイルスによって感染する「風疹」

飯田浩司アナウンサー)はしかと並んで耳にすることも多い風疹とは、どんな感染症なのですか?

多屋)風疹は風疹ウイルスによって起こる感染症です。風疹ウイルスを吸い込むことによる飛沫感染が主たる感染経路になります。他にもウイルスが付着した部分を手で触り、それを口や鼻に持っていって、吸い込んで感染する経路もあります。

飯田)飛沫感染で。

多屋)はしかより感染力は少し弱いのですが、コロナやインフルエンザよりは強いので注意が必要です。症状としては、熱が出たり、全身に赤い発疹が出たり、耳の後ろや首の後ろのリンパ節がグリグリ腫れるという3つの症状があります。しかし、3つとも症状が揃うのは半分ぐらいの方しかいません。咳や鼻水が出るなどの症状もありますが、はしかよりは軽いです。

妊娠20週ぐらいまでの妊婦が風疹ウイルスに感染すると、お腹の赤ちゃんが「先天性風疹症候群」に

飯田)風疹の怖さはどんなところでしょうか?

多屋)妊娠20週ぐらいまでの妊婦さんが風疹ウイルスに感染すると、お腹のなかにいる赤ちゃんまで感染してしまいます。そうすると、赤ちゃんが目や耳や心臓に生まれつきのハンディキャップを持ってしまうような、「先天性風疹症候群」という病気になってしまう可能性があります。

飯田)先天性風疹症候群。

多屋)お母さんが妊娠中に風疹を発症したとします。妊娠1ヵ月のときに感染すると、半分以上のお腹のなかにいる赤ちゃんに影響が出てしまいます。

飯田)半分以上の赤ちゃんに。

多屋)妊娠2ヵ月で35%、3ヵ月だと18%、4ヵ月だと8%程度という研究結果が出ています。赤ちゃんが先天性風疹症候群を発症した頻度が最も高いのは妊娠1ヵ月です。妊娠に気付くのは大体2ヵ月後くらいですよね。つまり、本人も妊娠に気付いていない時期に風疹ウイルスに感染すると、最もお腹のなかにいる赤ちゃんに影響を及ぼしてしまうような病気なのです。

これだけ恐ろしい「大人の風疹感染」

新行市佳アナウンサー、多屋馨子氏、飯田浩司アナウンサー

44歳~61歳の男性を対象に風疹の抗体検査と麻疹・風疹混合(MR)ワクチン接種が全額公費で受けられる

新行市佳アナウンサー)そう考えると、予防することが大切ですね。

多屋)おっしゃる通りです。約10年前の2012~2013年ごろ、かなり大きな風疹の全国流行がありました。そのときに、やはり妊婦さんも感染されて、45人の赤ちゃんが先天性風疹症候群に罹ってしまいました。

飯田)45人の赤ちゃんが。

多屋)なぜかと言うと、現在44歳以上の男性の方は、1回も風疹ワクチンを受けていないのです。いま風疹が流行すると、44歳以上の男性が風疹に罹ってしまいます。

飯田)男性は特にですが、1度も風疹ワクチンを接種するチャンスがなかった世代があるのですね。その辺りのフォローアップはありますか?

多屋)いままさにフォローアップが行われていて、2023年4月~2024年3月までの間に44歳~61歳になる男性を対象に、全額公費で風疹の抗体検査と、もし抗体価が低かったら麻疹・風疹混合(MR)ワクチンを全額公費で受けられる制度があります。

飯田)全額公費で。

多屋)しかし、なかなか行ってくださる人が少ない状況です。若い世代にうつしてしまう可能性もあるので、44歳~61歳の男性の方には、ぜひクーポン券を持って行って欲しいと思います。女性は妊娠する前に子どものころを含めていいので、合計2回の風疹を含めたワクチンを受けているかどうか、記録を確認して欲しいと思います。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

番組HP

医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

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