万年筆の「ペン先」開発で援助された「男泣きするほどの大金」
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あなたの朝がいつもイイ朝でありますように---ニッポン放送『羽田美智子のいってらっしゃい』。4月13日放送分のテーマは「万年筆のペン先」です。
1916年(大正5年)、純国産の万年筆用「14金のペン先」が誕生しました。「ペン先」は万年筆の頭脳とも言える最も重要な部分で、万年筆の書き心地に大きく作用します。
開発したのは並木良輔で、背景には東京商船学校(現・東京海洋大学)の同窓生であり、同じ船乗りだった和田正雄との友情がありました。
14金のペン先づくりは困難を極め、何とか完成目前にこぎつけますが、資金が底をついてしまったのです。そこで当時、実業家であり何度もピンチを救ってくれた和田氏に助けを求めました。
それを受けて、和田氏は5000円を並木氏に送りますが、当時は米一升が約13銭の時代。5000円はとてつもない大金であり、和田氏にとっても「自分にできる最後の援助」だったそうです。そんな和田氏の友情に、並木氏は男泣きします。
ついに「14金のペン先」が完成し、並木氏は和田氏とともに喜びを分かち合いました。その2年後、1918年に2人で万年筆の会社を設立しますが、これが現在の『株式会社パイロットコーポレーション』です。
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