コロナ禍の3年間、東京都医師会はどのような活動をしてきたのか
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東京都医師会会長の尾﨑治夫氏が6月9日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。東京都医師会における「コロナ禍の3年」について語った。
書籍『揺らぐ反骨 尾﨑治夫 東京都医師会長とコロナ』 ~コロナ禍の3年間を取材
飯田浩司アナウンサー)『揺らぐ反骨 尾﨑治夫 東京都医師会長とコロナ』という書籍が刊行されています。著者は辰濃哲郎さんです。表紙にも尾﨑先生のお顔が出ていますが、先生が書いた本ではないのですよね。
尾﨑)コロナが始まってから5類に変わるまでの約3年間で、私がどんな発言や活動を行ったかを中心に、ノンフィクションライターの辰濃哲郎さんが書かれた本です。
飯田)コロナ禍の3年間を取材したもの。
尾﨑)私がこの3年間、コロナを中心に東京都医師会のなかで活動してきたことが、よく書かれていると思います。
医師会は感染症から患者を守る立場の団体 ~経済が苦しくなると批判も
新行市佳アナウンサー)どのような方に読んでもらいたいですか?
尾﨑)新型コロナ感染症が流行し始めたころは、対策として「家で自粛してください」と言っても、皆さん不安だったので「感染が防げるなら」と賛同がありました。
飯田)初期のころは。
尾﨑)ところが徐々に経済が苦しくなり、飲食店などに影響が出てくると、医師会は感染から守ることばかり言っているので、医師会へ反発が出るようになってきたのです。ワクチンについても批判が出てきました。
飯田)ありましたね。
尾﨑)ただ、医師会は一貫して、感染から患者さんを守る立場の団体です。経済を守る団体ではありません。その姿勢にいろいろな批判もありましたが、医師会は批判に対してもぶれることなく取り組んできました。そこを理解して欲しいですね。
飯田)本来であれば、衝突する利害を調整するのは政治の役目であって、お医者さんの役目ではなかったはずですよね。
尾﨑)そうなのです。本来、医師会がやることはこれでいいと思います。でも、経済界がやるべきことは違います。感染対策と経済対策は相反するものになりやすいのです。それを調整するのが政治の役割ではないでしょうか。
国が主導して医師会と経済団体を調整して感染対策を進める ~同じ過ちを繰り返してはいけない
飯田)それでも動かないところがあるから、経済団体と一緒に声明を出されたりしていました。「決してぶつかり合うだけではないのだ」ということですね。
尾﨑)今後は感染症対策のための専門組織をつくり、国・政府が主導して医師会と経済団体を調整し、対策を進めていくべきです。今回の経験を踏まえて、同じような失敗を繰り返してはいけません。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます