コロナ禍と旧統一教会の問題によって低下した「公明党の力」
公開: 更新:
東京都立大学・法学部教授の谷口功一が6月26日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。衆議院の解散時期について解説した。
G7広島サミット後、結局、衆議院の解散はなし ~支持率は低下
飯田)衆議院選挙について、先の通常国会での解散は見送られました。日本維新の会は、これまで大阪・兵庫で公明党が擁立を決めているところに関し、公明党に遠慮していましたが、そこにも候補を立ててくると予想され、臨戦体制のように見えますね。
谷口)一時期は「解散するのでは」と言われていましたが、結局はしませんでした。周りの知り合いとも話していたのですが、「自分だったらするな」と思います。ゼレンスキー大統領の参加もあり、G7広島サミットは成功しましたので、「あの直後に解散を打っておけば」という気もします。
飯田)サミットの直後に。
谷口)結局、「大山鳴動して何も出てこず」というような感じでした。読売新聞の報道では、支持率が低下して41%と出ていました。前回調査から15ポイント下落しています。
飯田)そうですね。
谷口)これから先、「どのように求心力を保っていくのか」を注視したいと思います。
飯田)同じタイミングの日経・テレビ東京の調査では39%で、前回調査から8ポイント低下しました。最近は調査するたびに下がっている感じです。
公明党の力が弱まっている2つの理由 ~コロナ禍で通常の活動ができなかった
飯田)「秋に解散」と言われていますが、打ち切れるのでしょうか?
谷口)解散は総理の専権事項なので、岸田さんがどう思うかにかかっているのですが、実際に蓋を開けてみて、どうなるのかよくわからない部分はあると思います。
飯田)蓋を開けるまで。
谷口)これまでは公明党と連立を組んできましたが、公明党自体の力も「少し落ちているのではないか」という話を政治学者の方々とします。
飯田)公明党の力が。
谷口)公明党の母体は創価学会ですが、これまでは信者の方々が会館などに集まり、求心力を保っていた部分がありました。しかし、コロナ禍になり、それがなくなってしまった。
旧統一教会の問題の影響
谷口)また、旧統一教会の問題で宗教に対する風当たりも強くなってきたので、支持者のなかには「宗教を押し出した選挙はどうなのだろうか」という雰囲気も出てきていると聞いています。「自民党は公明党によって下支えされている」と言われますが、「実際はどうなのだろうか」とみんな興味を持って見ているのではないでしょうか。
飯田)コロナ禍の際、創価学会の人に取材したことがあるのですが、集まったり、お年寄りなど外に出づらい人のところに行って話を伺うなど、普段の活動がやりづらいということで、当時からかなり危機感を持っていました。
宗教者にとって、コロナ禍は1つの危機だった
谷口)私は宗教法学会に入っています。先日、京都での学会に出たときに、いろいろな宗教の方と話したのですが、やはり「宗教者にとって、コロナ禍は1つの危機だった」と話していました。
飯田)宗教者にとって。
谷口)「会って話してこそ」というところがあるので、「コロナ禍においてどう行動するか」など、かなり深刻に考えたという話をされていました。
飯田)疫病なので、生と死について考えると、そのようなところに救いを求める人が出てきてもおかしくはないと思いますが。
谷口)宗教にとっては、そこが基本的な機能ですからね。人によっては「いまこそ」という話を、伝統的な仏教の方なども含めてされていました。
この記事の画像(全1枚)
番組情報
忙しい現代人の朝に最適な情報をお送りするニュース情報番組。多彩なコメンテーターと朝から熱いディスカッション!ニュースに対するあなたのご意見(リスナーズオピニオン)をお待ちしています。