不整脈の最新治療法
公開: 更新:
東京都医師会理事で「河北総合病院」理事長補佐、心臓血管外科医の新井悟氏が6月29日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。不整脈の最新医療事情について解説した。
不整脈
飯田浩司アナウンサー)不整脈とは、どんな病気なのですか?
新井)成人の心臓は安静時、1分間に60回~80回ほど動いているのですが、心拍数が遅くなったり速くなったり、規則的ではない状態を不整脈と呼びます。
飯田)「遅い」、「速い」というのも不整脈に入るのですね。
新井)極端に脈が遅いと心臓から送り出される血液量が減少し、心不全になってしまいます。また、あまりにも速いと心臓が空打ちになります。空打ちになることで、心臓から出ていく血液量が減ってしまうのです。
不整脈の治療法 ~ペースメーカーでの治療
飯田)症状によって治療法も異なるのですか?
新井)心臓の脈が遅くなったときは、補助する機械「ペースメーカー」を体のなかに埋め込み、正常な脈拍数を維持します。
飯田)ペースメーカーはどのように体に入れるのですか?
新井)通常は肩のところから入れます。鎖骨の下を5センチ~7センチ切って、皮下に小さなポケットをつくり、そのポケットにペースメーカーを入れます。ペースメーカー自体の大きさは、縦横4~5センチで厚さが7ミリくらいです。500円玉くらいの小さなものもあります。
飯田)大きさは。
新井)それだけだと心臓は動かないので、そこからリードを鎖骨の静脈に挿入し、細いカテーテルを心臓のなかまで入れていきます。カテーテルの先端を心臓の適切なところに当てて、電気的に刺激します。
カテーテルアブレーション治療
飯田)不整脈において、ペースメーカー以外の治療方法はあるのでしょうか?
新井)心房細動という不整脈の病気があります。年齢が高いほど発症しやすいです。
飯田)心房細動。
新井)脈が速くなって空打ちしてしまうので、それを抑えてあげなければなりません。もう1つ、心房細動は心臓のなかに血栓ができやすいのです。血栓ができると脳梗塞の原因になります。
飯田)脳梗塞に。
新井)それを治すため、心房細動の刺激が出るところを、心臓のなかからカテーテルで焼いてしまうのです。
飯田)焼くのですか?
新井)焼いてしまい、刺激が出るところをなくす。「カテーテルアブレーション治療」と言いますが、そのような治療が出てきています。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます