子どもの「先天性心疾患」とはどんな病気なのか

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東京都医師会理事で「河北総合病院」理事長補佐、心臓血管外科医の新井悟氏が6月30日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。小児の先天性心疾患について語った。

子どもの「先天性心疾患」とはどんな病気なのか

※画像はイメージです

100人に1人の割合で生まれる「先天性心疾患」の子ども

飯田浩司アナウンサー)子どもの先天性心疾患には、どんなものがあるのでしょうか?

新井)軽い病気から重い病気まで、すべて含めると、100人に1人が先天性心疾患で生まれると言われています。ただ、すべての人に治療が必要なわけではありません。

飯田)すべてではない。

新井)手術する方は1年間に1万人弱です。

重い症状の場合は新生児の段階で手術することも

飯田)どのような症状なのでしょうか?

新井)重い状況だと、生まれた直後から心臓の機能が悪く、チアノーゼが出たり血圧が上がらず、ショック状態になることもあります。そのため、生まれた直後の新生児の段階で手術しなくてはならない場合もあります。

飯田)生まれてすぐに。

新井)軽い場合は、ミルクの飲みが細い、体重が増えにくいなどの症状が出てきます。乳幼児の検診で心臓の雑音が見つかり、発見されることもあります。

子どもの「先天性心疾患」とはどんな病気なのか

新井悟氏、飯田浩司アナウンサー

原因の1つは遺伝 ~突然なることも

飯田)原因は何なのでしょうか?

新井)1つは、遺伝的なものです。遺伝子異常だとわかっている病気もありますし、不明のこともあります。

飯田)不明の場合も。

新井)血縁的にそういった患者さんがいなくても、突然なってしまうこともあります。

難易度が高い新生児の手術

飯田)お子さんということを考えると、手術も難しいのでしょうか?

新井)先天性心疾患には何種類もあります。最も多いのは、心臓の壁に穴があくような病気です。時期にもよりますが、生まれた直後に対応しなくてはいけない場合、非常に難易度が高い手術になります。

飯田)生まれた直後に行う場合は。

新井)幼稚園くらいになれば、難易度はそれほど高くありません。

飯田)お子さんの成長過程のなかで、自然に治ることはあるのでしょうか?

新井)頻度としては、心室の部屋の壁に穴があく「心室中隔欠損症(VSD)」の発症が最も多いのですが、全部に手術が必要かと言うと、そうでもありません。徐々に穴が塞がっていくこともあります。そのような場合は、小児科の先生が経過観察して判断します。

飯田)大人の弁膜症だと、カテーテル治療で弁を交換しますが、子どもに対しても有効なのでしょうか?

新井)弁を交換する治療は子どもには行われていません。しかし、例えば生まれつき肺動脈が狭くなっているような症例だと、そこを風船で膨らませる治療は行われています。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

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