キャスターの辛坊治郎が7月10日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。1966年に静岡県の一家4人が殺害された事件で死刑が確定後、釈放された袴田巌さん(87)の再審公判を巡り、検察側が10日、公判で有罪の立証をする方針を静岡地裁に伝えたことについて、「(再審開始を認める決定を出した)東京高裁から捜査機関による証拠ねつ造の可能性を言及され、検察のメンツにかかわるのだろう」と指摘した。
1966年に静岡県で一家4人が殺害された事件で死刑が確定した後に再審が決まった袴田巌さんについて、検察側が有罪を立証する方針を静岡地裁に伝えた。袴田さんは現在87歳と高齢で、弁護側は早期結審や再審無罪判決を求めていた。
辛坊)私の感覚ですと、無茶だと思います。袴田事件は裁判のやり直しが確定しました。再審は日本ではものすごくハードルが高いです。過去の例も含め、裁判の再審が決定されるのは、無罪を立証できるような証拠があるときです。今回の袴田事件に関しては、東京高裁は捜査機関による証拠のねつ造にまで言及しています。裁判のやり直しでは最終的には無罪になる可能性が極めて高いといえます。しかし、検察としては証拠のねつ造にまで言及されては、メンツにかかわるのでしょうね。
検察が有罪の立証をしなければ、判決は早く出ます。ところが、争うということになると、判決までにまた長期間を要することになります。袴田さんは現在87歳です。袴田さんの存命中に無罪判決を出してあげられる可能性はどんどん下がっていきます。
では、捜査機関が証拠をねつ造することがあるのか-。実際に厚生労働省の郵便不正事件では、大阪地検特捜部が厚生労働省の官僚だった村木厚子さんを罪に陥れるために、証拠をねつ造しています。
日本の大手マスコミは、残念ながら検察の広報機関のようなところがあり、検察から情報もらうために検察批判をしません。私は、日本の現状において、今の検察の暴走はかなり危険だという感覚を持っています
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)