小児科病棟が満床になる流行の「RSウイルス感染症」はどんな病気なのか

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東京都医師会理事で「かずえキッズクリニック」院長の小児科医、川上一恵氏が7月5日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。RSウイルスについて解説した。

小児科病棟が満床になる流行の「RSウイルス感染症」はどんな病気なのか

※画像はイメージです

小児の間で流行している「RSウイルス感染症」 ~乳幼児が罹ると入院も

飯田浩司アナウンサー)RSウイルスが流行していると伺いましたが。

川上)いま流行しておりまして、東京都内に小児科病棟を持っているところでは、ほとんど満床だと聞いています。

飯田)満床ですか。入院する子たちが出るくらいに流行っているのですね。改めて、RSウイルスの基本的な知識を教えてください。

川上)RSウイルスは、大人であれば風邪の症状が出るウイルスですので、年齢問わず罹る病気です。年長児以上であれば風邪の症状で軽く熱が出たり、咳の痛みが少し続く程度で済むのですが、乳幼児が初めて罹ったときは、高熱に加えて呼吸困難を伴うほど咳き込んだり、痰が絡むなどの症状が出て、入院することになります。

「生後6ヵ月間は病気に罹らない」ことはない ~生まれた直後にRSウイルス感染症に罹る可能性はある

飯田)症状が出た先には、どんな治療法がありますか?

川上)この病気に特別な治療法はありません。呼吸困難が強ければ酸素を使ったり、ときには人工呼吸器が必要になることもあります。

新行市佳アナウンサー)重症化する可能性があるということですか?

川上)小さいお子さんの場合は重症化の可能性があります。よくお母様方は、「生後6ヵ月間は病気に罹らない」と信じているところがありますが、生まれた直後からRSウイルス感染症に罹る可能性はあるのです。

飯田)そうなのですか。

川上)少し大きいお兄ちゃんやお姉ちゃんが保育園や学校で罹った風邪が、実はRSウイルスで、生まれたばかりの赤ちゃんに感染し、その赤ちゃんが入院するというケースはよく見ます。

小児科病棟が満床になる流行の「RSウイルス感染症」はどんな病気なのか

新行市佳アナウンサー、川上一恵氏、飯田浩司アナウンサー

通常は1週間程度で快方に向かう ~最初の1週間を凌げるかがポイント

飯田)一般的には、呼吸器に異常が出ることが多いのですか?

川上)基本的には呼吸器の感染症になるので、症状は咳や鼻水がメインです。

新行)快方に向かうまではどのくらい掛かるのでしょうか?

川上)大体は1週間程度でよくなります。最初の1週間が凌げるかどうかがポイントです。呼吸の音や、皆さんコロナで知った方もいると思いますが、酸素飽和度を測定する機械で子どもの体のなかの酸素状態を見ながら、どのタイミングで入院しなければいけないかを評価していきます。

コロナ禍以降、6月下旬~7月にかけて流行るように

飯田)なぜこのタイミングで、これほど流行っているのですか?

川上)本来、RSウイルスは夏から秋にかけて流行する病気なのですが、昨年(2022年)も6月下旬~7月にかけて流行り、昨年のいまごろも小児病棟は満床でした。

飯田)去年も今年同様に。

川上)大人はコロナ、子どもはRSウイルスといった時期があったのですが、今年(2023年)も同じようにいまの時期に流行っています。

飯田)どんな感染経路が考えられますか?

川上)基本的には飛沫感染です。兄弟などが風邪をひき、赤ちゃんのそばで咳をすると感染していきます。

小さな赤ちゃんを連れて人混みへ出かけることは避ける

新行)大人はどんなところに注意しなければいけませんか?

川上)大人の方も、ご自身に風邪の症状があったら、小さなお子さんと触れるときはマスクをしていただき、手洗いすることが大事です。また、小さな赤ちゃんを連れて人混みへ出かけるのは避けていただくしかありません。

飯田)感染する機会を減らしていくしかないのですね。

川上)それしか方法がないのが残念なところです。

飯田)夏を過ぎると大分落ち着いてきますか?

川上)コロナ禍の前は9月ごろが多かったのですが、ここ1~2年は早まっている印象があります。

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