数量政策学者の高橋洋一が7月12日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。岸田総理の欧州訪問について解説した。
岸田総理、ヨーロッパ訪問へ出発
岸田総理は7月11日から4日間の日程でヨーロッパ訪問に出発した。リトアニアで行われるNATO首脳会議のあと、ベルギーに移動してEUとの定期首脳協議に臨む。そのなかで韓国、ウクライナなどと個別の首脳会談も行う。
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飯田)去年(2022年)に続き、パートナー国の首脳としてNATO首脳会議に参加します。NATOも含め、欧米が東アジアに関心を持っているなかで、今回の参加は大きいですか?
国連が機能していない現在、大きくなるNATOの存在 ~NATOとしてもアジアと連携を深めたい
高橋)大きいです。国連が機能しないので、各国はNATOにしか頼れないのでしょう。日本には日米安保があるけれど、「心もとないからNATOに」ということは長期的には考えられると思います。
飯田)国連が機能していませんからね。
高橋)NATOの方も「北大西洋条約機構」と言っているけれど、いまは国連が機能しないから、「世界中に広げてもいいのでは」という考えもあると思います。
飯田)NATO側も。
高橋)アジアの方であれば、韓国、日本、ニュージーランド、オーストラリアは1つのターゲットになります。それらの国と連携を深めたいところはNATOとしてもあるでしょう。中国に対して厳しいスタンスも取りましたし。
飯田)そうですね。
高橋)国連が何もできないのであれば仕方ないですよね。日米安保だけでうまくいけばいいのですが、うまくいかなかった場合、こういうことも必要になります。
NATO東京事務所開設に反対する仏マクロン大統領 ~岸田総理はリトアニアでマクロン大統領と首脳会談し、「何を言っているのだ」と問うべき
飯田)NATOの意思決定は全会一致が原則です。一部の国、具体的に言うとフランスがNATOの東京事務所に反対しています。「北大西洋条約機構なのだから北大西洋であるべきだ」というような主張をしている。
高橋)今回、岸田さんはヨーロッパに行くのだから、マクロン大統領に会って「何を言っているのだ」と問うべきです。
飯田)いまのところマクロンさんと首脳会談を行う予定はありませんが。
高橋)リトアニアのどこかにいるはずです。
飯田)首脳会議に出席しているのですからね。
高橋)捕まえて、「何を言っているのだ」と。あるいは「中国で何を言われたのだ」くらい言ってもいいと思います。
中国がフランスからエアバスを大量購入したからか
飯田)どうもマクロン氏は中国を訪問したあとに……。
高橋)中国がエアバスを買ったから言った、という感じがしますよね。
飯田)中国はエアバスの飛行機を大量購入しました。
高橋)変ですよね。そこは関係ないだろうと思います。
中国がエアバスを購入したことが理由であれば、日本はフランスからワインを買えばいい
飯田)NATOは東京やアジアには事務所がありませんが、中東には事務所があるという話も言われます。
高橋)事務所くらい、いいではないですか。でもそれが交渉なのかも知れないから、フランスに対して「では、日本はワインを買います」と言えばいいのです。ワインぐらいで済むのであれば、買ったらよろしいのではないですか。
飯田)その辺りもマクロン氏なりの国内アピールが含まれているのでしょうか?
高橋)それもあると思うので、ワインでいいではないですか。それで、「やはり東京に事務所があってもいい」と言ってもらえれば。こういうことは割り切って、ノーアポでもいいから捕まえて首脳会談を行ったらいいのです。
韓国と首脳会談をするのであれば、フランスと行うべき
飯田)個別の首脳会談に関しては、韓国、あるいはゼレンスキー氏とも再度会うと言われています。
高橋)韓国と首脳会談をするのであれば、フランスとやった方がいいのではないでしょうか。韓国と話しても、レーダー照射ははっきりしないし、ホワイト国に戻したり、通貨スワップを再開したり。
飯田)そんな話が出てきています。
高橋)そんな話になるのであれば、マクロン氏を捕まえて直談判し、「ワインを買うから」と言った方がいい。
飯田)そのくらいの取引を。
高橋)やってもよろしいと思います。それが外交でしょう。
飯田)今回のような国際会議では、オフィシャルの会議そのものよりも、コーヒーブレイク的な話し合いが重要だと言いますからね。
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