受験生を“みんな“で応援!『おうえんしナイト』
全国の受験生を応援するために、受験や教育と縁が深い、お笑い芸人・ランパンプスと一緒に様々な情報をWebコンテンツとして発信していく企画です。
全国の受験生を応援する『おうえんしナイト』。
今回は茨城県水戸市にある「水戸八幡宮」にやってきました。戌・亥年生まれの守り神、そして水戸の総鎮守としても広く知られる水戸八幡宮にてランパンプスが合格祈願! 水戸黄門様との繋がりはいかに?
――それでは権禰宜(ごんねぎ)の井坂謙二(いさかけんじ)さんにお話を伺いましょう。
小林:初めまして。吉本興業所属の芸人、ランパンプスです。
寺内:よろしくお願いします。
井坂:水戸八幡宮の権禰宜の井坂です。よろしくお願いします。生まれも育ちも茨城なもので、聞きづらいところがあったら上手に編集してください(笑)。
小林:いただいた名刺に「権禰宜」と書いてあるのですが、もう「禰」が見たこともない字なんですけど、どういった役職なんでしょうか?
井坂:神社の大きさによって役職が多かったりはするのですが、一般的な神社では宮司(ぐうじ)、禰宜(ねぎ)、権禰宜(ごんねぎ)、出仕(しゅっし)、という役職の序列になります。会社で言うところの社長が宮司ですね。
小林:勉強になります。それでは、さっそくなんですけども、水戸八幡宮さんの御由緒をお聞かせいただけますか?
井坂:創建400年ちょっとなので、神社の歴史的には浅い方かもしれないです。
寺内:400年前っていうと江戸時代よりも前ですよね? それでも浅いほうなんですね。
井坂:水戸は「水戸徳川様」が有名かと思うんですが、水戸を徳川様が治める前、ここから20キロぐらい北にある常陸太田(ひたちおおた)市に、当時、佐竹公と言う殿様がおりまして、その殿様が前の殿様を倒して、水戸に来て城を構える際、馬場八幡宮という神社の「分け御霊」「御分霊」を一緒に持ってきて、そこに社殿を作ったのが始まりとされています。それが安土桃山時代ですね。その後、すぐ徳川様の時代になって、佐竹公は秋田に移されたのですが、こちらにはその神社が残りました。
寺内:御分霊とはどういったものなんですか?
井坂:「御分霊」というのは、要するに「魂を分ける」ことです。ロウソクに火をつけて持ってくるようなイメージですね。なので、元のものはまだ常陸太田市にあります。徳川様が水戸を治めるようになり、光圀公が寺社政策を行う中で、この水戸八幡宮は水戸城下に建てられてあったお社を、この地より約10キロほど北の現在の城里町・那珂西という地に移され、その後、三代藩主の徳川綱条(とくがわつなえだ)公への当時の宮司や地域の氏子の請願により、現在の地に戻ってきたという経緯があります。ここから見えるあの大きな大イチョウが御神木になっているんですが、そこに神様が舞い降りて「ここに建てなさい」という御神託を受けて、この場所に特定されたそうです。
小林:水戸に戻ってきた時は、水戸光圀公のときだから300年ぐらい前ですか? ということは300年前にもう大きいイチョウとしてあったってことですか?
井坂:そうです。現在、あちらの大イチョウは樹齢がおよそ800年になります。ですので、当時からかなり大きかったんです。
寺内:すごすぎる! ちなみに何メートルぐらいあるんですか?
井坂:およそ42mですね。太さもおよそ9mほどあります。
寺内:僕も、あと770年ぐらい生きれば、あれぐらい大きくなれるってことですか(笑)?
小林:なれるよ! お前ならならなれるよ!
小林:水戸八幡宮にはどういった神様が祀られているんですか?
井坂:応神天皇様、神功皇后様、姫神様と三柱の神様をお祀りしています。だいたい全国の八幡さんはその三柱の神様がお祀りされています。他所の八幡さんも同じように「御分霊」を分けていただいて、あちこちの土地に八幡さんが広がったわけです。
寺内:八幡宮の名がついている神社はどこも三柱をお祀りしているってことですか?
井坂:一柱、二柱というところもありますけど、三柱をお祀りしているところが多いですね。
小林:戌年(いぬどし)・亥年(いのししどし)の守護神とも聞いたのですが、どういった由縁があるんですか?
井坂:元々は仏教のものだと思うんですが、八幡様も神仏習合の時に「八幡大菩薩」というような形で、仏様の称号をもらったのです。そして、それぞれ仏様に、わかりやすく言えば担当というか、何々という仏様は何年生まれというふうに干支が割り当てられているんです。そういった経緯もあって、古くから八幡様は戌年・亥年の守り神様として信仰を集めています。
小林:じゃあ、戌年・亥年の人は八幡様にお参りした方が良いんですね。
井坂:基本的には一番大事にされるのは日本の神様の中心の「お伊勢さま」になります。次に、ご自身の住んでいる地元の神様を大事にしていただきたいですね。皆さん、引っ越しなどをした際は、その土地の神様にまずご挨拶してから住まわれると良いかと思います。
小林:合格祈願で来られる方もいらっしゃいますか?
井坂:いらっしゃいますよ。絵馬を書いて、お参りされていきます。八幡宮がお祀りされる前はこの辺は天神山と称しまして、天神様があったんです。今は神社の末社と言いまして、小さいお宮としてお祀りされているので、そちらの天神様にお参りされる方もいらっしゃいます。お正月や、やはり受験シーズンなってきますと多いですね。
寺内:天神様がいると「天満宮」って名前にはならないんですか?
井坂:境内に小さなお宮がたくさんあって、天神様をお祀りしている末社は、その中の一つになります。それぞれの末社が水戸八幡宮にお祀りされた事情は様々あったと思うんですが、例えば「地区の守り神様をお祀りしていた神社が、その地区でお守りすることがなかなかできなくなってしまった」といった場合に「地元の氏神様である神社さんにお預かりしてお祀りしていただきましょう」というような形で、神社に末社という形で、神社のお祀りされるようになったりします。
小林:スーパーに入ってるお寿司屋さんみたいなことかな?
寺内:末社だね。あれは(笑)。
小林:みどり寿司とか。
寺内:世田谷のね(笑)。誰もわかんないから(笑)。
小林:すみませんなんか調子乗りました(笑)。
寺内:「天満宮は学業」「お稲荷さんは商売」など、そういった代名詞みたいなものがあると思うんですが、八幡宮は「○○の神様」みたいなものはあるんですか?
井坂:八幡宮は有名なところでいうと「諸難除け・厄除けの神様」「子育ての神様」ですね。諸難除けというのは要するに、もろもろの難を除けることになります。元々、八幡様は、源氏の守り神様、武の神様として崇敬されていましたので、そういったところにちなんで「もろもろの災い事を避ける」といった御利益があります。また、御祭神の応神天皇様と神功皇后様は親子なんです。親子の結びつきの強いところから、子育ての神様としても、たくさん崇敬を集めており、お宮参りにいらっしゃる方も多いですね。
小林:水戸八幡宮の見どころを教えてください。
井坂:お社が二つ並んでいるんですが、奥のお社は御本殿と言いまして、神様のお住まいになる場所で、そちらは国の重要文化財に指定されています。
小林:確かに歴史を感じる雰囲気がありました。
井坂:水戸は戦災に遭いまして、空襲で市内が焼け野原になってしまったんです。そのときは、ここから3キロ離れた水戸駅まで焼けてしまい、そこに見張り台があったそうなんですが、そこから八幡の森が見えたそうです。しかし、水戸八幡宮は焼けずに残ったので、皆さんが集まってきたんです。
小林:空襲でここに避難してきたんですね。
井坂:当時の神主さんが怨敵退散ということで、もうひたすらに太鼓を叩いて祈願していたんです。皆さん、太鼓の音を聞いて、水戸八幡宮が無事だということがわかって集まってきたそうです。境内にも焼夷弾などが落ちたりしてたようなんです。私も境内を掃除していいて、五角形の鉄の筒みたいなものを見つけたことがありました。
寺内:え? 不発弾ってことですか?
井坂:最初は私もわからなかったんですけど、年寄りに見せたら「焼夷弾の残骸」とのことでした。
小林:空襲にあったなによりの証拠ですね。大変だったんですね。
井坂:人が集まっていたので燃えたものも消し止められたので、現在まで、焼けずに残ったのだと思います。そんなこともあり御本殿は国の重要文化財なんです。それと先ほどお話した大イチョウは国の天然記念物に指定されています。
寺内:今日は晴天だから天に突き抜けるように見えますよね。秋は紅葉してまた別の印象になりそう。
井坂:11月頃になると黄色に色づいて、すごく綺麗になりますよ。私どもはあまり知らなかったのですが、パワースポットとしても割と有名みたいですね。10年くらい前に、巨木ブームというか、大きい木に抱きついたりとか、皮むいちゃったりとか、そんなことが流行った時期があったんですよ。
小林:ありましたね! みんな、写真撮りに行ってましたよね。
寺内:でも「御神木の皮、むいちゃいました」は良くないですね(笑)。
井坂:いつも以上にお参りに来る人がいるなと思ったら、巷ではパワースポットとして有名だったみたいで、今でも、結構いらっしゃってますね。他にも、イチョウの木ですので「たくさん実を結ぶ」ということで「子授けの神様」として、お参りされる方も多いです。
寺内:秋になると銀杏の量もすごいんじゃないですか?
井坂:もう今から落ちてますよ。たくさん付きすぎると木も重いでしょうから、自然に間引かれているんでしょうね。
小林:最後に、この記事を見るのは受験生が多いと思うんですけれど、受験生に個人的にでも良いので、なにかメッセージがあればお願いします!
井坂:個人的なメッセージ(笑)?
小林:水戸八幡宮の総意でも大丈夫です(笑)。
井坂:総意というわけでもないですが、一般に神様というのは、皆さまの努力の上に大きな力を与えてくれます。もちろん神頼みというのもあるかと思いますが、やはり皆さまが一生懸命やっている姿に神様は、その力を分け与えてくれると思います。ですので、一生懸命努力されて、その上で神様にお参りしていただいて大きな力を受けていただければ良いかと。
小林:素晴らしいお言葉です。
井坂:我々は、神社にお参りすると「お願いします」ばかり言ってしまいますが、まずは神様に日頃の恩恵を受けて生かされているので、その恩恵に対してまずは「ありがとう」という言葉を伝え、その上で「よろしくお願いします」とお願いしましょう。受験に向けてお参りされる際は、神様からの恩恵だけでなく、ご両親の恩恵を受けて日頃から学校に行かせていただいていること等への「ありがとうございます」の想いを神様へのお願いに添えて、参拝していただければと思います。
寺内:あの……これで本当に最後の質問なんですが、井坂さんは元々福耳なんですか? 綺麗な福耳だなと思って(笑)。
小林:なんで最後にそんなこと聞くんだよ(笑)。
井坂:いや、いつも引っ張ってます(笑)。
寺内:乗っていただきありがとうございます(笑)。
小林:今日は本当にありがとうございました!
井坂:こちらこそありがとうございました。
――さて、水戸八幡宮に行って、色々お話を聞かせていただきましたが、いかがでしたか?
小林:僕は人生で初めて行った神社が八幡様だったんですよ。 家の近くの神社が八幡様でずっとお母さんと初詣行っていた思い出があります。八幡様について深くは知らなかったんですけど「ああ、そういうことだったんだ」みたいな納得感がありましたね。あと、いっぱい小さい末社があって、行って楽しいところだなって思いました。夢の国・神バージョンみたいな(笑)。
寺内:あなた、さっき、世田谷のスーパー大関と、みどり寿司って言ってたよ。 スーパー大関の中に梅ヶ丘の寿司屋さんが出店してるなんて全国の人に伝わらないからね(笑)。私も地元の氏神様が八幡様で、小学校のときの応援団の応援歌に 「八幡さんの神主がおむすび食べて申すには今年の勝利は紅組の勝ち勝ち♪」っていう歌詞がありました。あと……途中、まあ……ちょっと場所がね、半分開けたらすぐ外みたいな感じだったんで……虫が入ってくるもんだから――
小林:やめなさいって(笑)。
寺内:井坂さんのおでこに虫が止まっちゃって、ご自身で勢いよく叩いた時に、響き渡る乾いた高音が鳴り響いて、何が起こったって思ったんですけど、見たら「ああ、虫か」と。ご自身を叩くにしては、強すぎる音だったんで、それはちょっとびっくりしましたね(笑)。
小林:喋っている途中で意識失いそうになって、気付けのために自分で叩いたのかと思った(笑)。
寺内:でも、お話は分かりやすかったし、住宅街の中なのに自然も多いし、水戸の総鎮守だけあって、素晴らしい指定文化財も多くて見所満載でしたね。皆さんも是非、水戸八幡宮に行って、八幡様をお参りするのはもちろんですけど、自分の悩みにあった神様が絶対にいらっしゃると思うので、様々な末社を回ってみてほしいです。本殿の国の重要文化財の装飾も綺麗で、大銀杏も圧巻だし、絶対におすすめです!
水戸八幡宮は、時の権力や戦災などの荒波に揉まれながらも、地域の皆様に愛されることにより、しなやかに時代の流れにのり、今も人々が集まる神社でした。お近くに立ち寄られた際は、是非、ご参拝して、そのパワーを受け取っていただければと思います。
さて、次回の『おうえんしナイト』は始まって以来の初の「国立大学」、茨城大学にて取材をしてまいります。ご期待ください!
<水戸八幡宮>
住所:〒310-0065 茨城県水戸市八幡町8-54
HP:https://mitohachimangu.or.jp/
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