東京都医師会理事で「名和医院」院長の内科医・弘瀬知江子氏が8月4日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。学校における保健教育の今後の在り方について解説した。
子どもたちにAEDの使い方を教える
飯田浩司アナウンサー)弘瀬先生は学校保健も担当していらっしゃいますが、今後、子どもたちにどんなことを教えていきたいですか?
弘瀬)「救える命を救ってもらいたい」ということですね。教科書にAEDは載っているのですが、実際に子どもたちが触れることはないので、使用方法などを教える場を設けようと、消防署の方や教育委員会などに相談しています。
飯田)実際にAEDの箱を開けて使い方を教える。
弘瀬)そうですね。
飯田)私も避難訓練のときなどに人形が置いてあって、そこに電極を付けるようなことをやった覚えがあるのですが、そういうことを子どもたちにも教える。
弘瀬)心臓マッサージとAEDの使い方を、子どもたちにも教えてあげたいですね。
飯田)特にお子さんだと、心臓マッサージなどは力がいる仕事ですよね?
弘瀬)力がいると思います。できるかどうかはわかりませんが、6年生くらいの子どもたちに「心臓マッサージはこのくらい大変なんだよ」と。そして、「頑張って命を救いましょう」ということを教育していきたいと思っています。
子どもが倒れている人を見たときに「その人の状態を確認して大人を呼ぶ」ことが大事
飯田)首都直下型の大地震も、30年以内に8割の確率でやってくると言われています。そのようなときのファーストエイドとして、いま教えておくことは大事ですね。
弘瀬)倒れている人たちを見たときに避けて通らず、「どのような状態なのか」を確認し、大人を呼ぶことが大事だと思います。
飯田)声をかけて事情を聞くだけでもやって欲しい。「何だろう」と怖がって、遠ざかってしまうのがいちばんよくないのですね?
弘瀬)そうですね。
夏休みの期間、子どもたちだけで遊ばせない
飯田)夏休みに入っていますが、お子さんたちの過ごし方、周りの親や大人はどのようなことに注意したらいいですか?
弘瀬)まだコロナ感染症もありますし、水の事故、山の事故、熱中症もあります。今年(2023年)はすごく多くなっていますので、そのようなことに注意していただく。また、お子さんたちだけで遊ばせない。必ず親の目の届く範囲で遊ばせることが大事だと思います。親が手を離してしまったら、危険ゾーンはたくさんあると思います。
夏休みは子どもと対話するいいチャンス ~子どもの話をじっくり聞いて欲しい
飯田)改めて、大人の皆さんへメッセージをお願いします。
弘瀬)ぜひお子さんと対話する時間を持ってもらいたいです。いまどんなことが学校で起こっているのか、あるいは学校でどのようなことを教えてもらっているのか、どんなお友だちがいるのかなど。夏休みはお子さんと話す、いいチャンスだと思います。お子さんの話をじっくり聞いてあげてください。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます