ロシア政治に詳しい筑波大学名誉教授、中村逸郎氏が8月28日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演し、辛坊と対談。ロシア非常事態省が「死亡」と明かしたロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創設者、プリゴジン氏を巡り、「まだ生きている可能性がある」と解説した。
ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創設者、プリゴジン氏が21日、6月に反乱を起こした後で初めてとなるビデオメッセージを公開し、「アフリカの1つの国にいる」と明かしたばかりだが、ロシア非常事態省は23日、モスクワ北西のトベリ州で自家用ジェット機が墜落し、乗員・乗客の計10人が死亡し、その中にプリゴジン氏が含まれることを明かした。ロシアのプーチン大統領は「哀悼の意」を表明しているが、アメリカのシンクタンクは「暗殺されたのはほぼ確実」との見方を示している。暗殺が事実だとすれば、その背景にはどのような思惑があるか―。
中村)墜落した自家用ジェット機に誰が本当に搭乗していたかについては、よく分かりません。なぜかというと、今回と同様のことが2019年にコンゴ共和国で起きているからです。
当時、ロシアの輸送機が墜落し、搭乗者全員が死亡したとされました。この輸送機の搭乗者名簿にもプリゴジン氏の名前があり、ワグネルの本部はプリゴジン氏の死亡を発表しました。ただ、墜落事故から間もなくしてプリゴジン氏がロシア国営通信を通じ、自ら生存しているというメッセージを発信したんです。ですから今回も、もしかすると同じようなことが起きるのではないかという疑いを持っているロシア人はいます。
辛坊)結論としては、どうなのでしょうか。
中村)分かりません。今回墜落した自家用ジェット機は月に数回もトラブルを起こすような機体で、放置同様の扱いをされていました。ですから、プリゴジン氏はこの機体が怖くて使っておらず、普段は別の機体に搭乗していました。用心深いプリゴジン氏やワグネルのナンバー2が、このタイミングでそんな機体にわざわざ搭乗するなんて不思議です。
また、今回墜落した機体にはパイロット2人以外は搭乗していなかったという説もささやかれています。では、その2人のパイロットがどうなったかというと、墜落現場付近の住民が「期待が空中で爆発する前に、2つのパラシュートが落ちてくるのを見た」と証言しているんです。この証言が本当であるならば、今回の墜落事故はワグネルによる自作自演である可能性も出てきます。
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辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)