中央大学法科大学院教授で弁護士の野村修也と元経産省官僚で政策アナリストの石川和男が8月30日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。菅前総理が唱える「ライドシェア(相乗り)」の解禁について解説した。
菅前総理が「ライドシェア」の解禁を唱える
飯田)働き方について、「人手不足」の問題もあります。
石川)働き方ということで言うと、例えば「ライドシェア」は小遣い稼ぎも含めて、副業としていいと思うのです。
飯田)副業として。
石川)先日、「菅前総理がライドシェアの解禁を唱えている」という報道が出たとき、私は大賛成してツイート(ポスト)したのですが、瞬間的にいろいろな人から大批判が来ました。
前向きに考えなければ規制改革は進まない
石川)「それをやったらこんな問題が起こる」、「お前が言ったことはけしからん」というようなお叱りをたくさんいただきました。
飯田)そうなのですね。
石川)そういう人に対して言いたいのですが、そういう発想ではなく、「実現するためには、どんなルールでやればいいか」と前向きに考えなければいけないのです。そうでないと規制改革は本当に進みません。
飯田)規制については、コロナ禍から「何かあったらどうするのだ」という意見が表に立ってしまっています。マイナンバーの話もそうかも知れませんが、「イノベーションしていこう」と考える人のやる気を削ぐような展開になっていますよね。
リスクを取る許容度がなければ国は成長しない
野村)やはり「ゼロリスク」はダメなのですよ。リスクを取ってビジネスは生まれるわけだから、リスクを取ることに対して許容度がある国でなければ成長しないですよね。
飯田)もちろんセーフティネットは必要だけれど。
野村)もちろんそうです。
マイナンバーカード ~日本が最も得意とする健康分野のビッグデータが使えない
石川)マイナンバーカードについてもそうです。報道で「何千件の齟齬がありました」などと言いますが、日本でも約71%、8000万人くらいの人にマイナンバーカードが交付されているのです。
飯田)約71%。
石川)確かにミスは是正しなければいけませんが、そのなかで「何千件」と言っても微々たる話なので、そういうところで揚げ足を取らず、前に進まなければならない。
飯田)そうですね。
石川)使ってみれば、はっきり言ってマイナンバーカードは便利です。
野村)健康データに関しては、マスキングしてビッグデータとして使っていけば、日本の新しいビジネスを生み出す源泉になるわけです。いま、国際的にビッグデータで各国が競争しています。
飯田)既に。
野村)これまで日本が最も得意としている健康分野のビッグデータが使えない状況は、もったいないことです。「個人情報が」などと言う人もいますが、マスキングすれば全然問題ありません。
飯田)個人として特定されない形で。
野村)そういうことをきちんとやっていけばいいと思います。
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