昭和41年の日本人の「喫煙率」は何と83.7% 現在は16.7%
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東京都医師会理事で「セントラルクリニック」院長、日本内科学会総合内科専門医の蓮沼剛氏が9月4日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。日本人の喫煙率について語った。
現在の喫煙率は16.7%
飯田浩司アナウンサー)今回は日本の喫煙事情について伺います。現在、日本の喫煙率はどのくらいなのですか?
蓮沼)厚生労働省が令和元年11月に実施した「国民健康・栄養調査」によると現在、習慣的に喫煙している方は16.7%です。このうち男性の喫煙率は(男性全体の)27.1%、女性は7.6%でした。
飯田)令和元年の数字というのは、コロナ禍で調査できなかった時期があるのですか?
蓮沼)そうですね。令和2年~3年はコロナの影響で調査が中止になったので、これが現時点で最新のものとされています。
50歳代の喫煙者が最多で12.9% ~昭和41年の喫煙率は83.7%で、5人に1人以上が吸っていた
新行市佳アナウンサー)年齢別で見るといかがですか?
蓮沼)年齢階級別に見ると、50歳代が最多で12.9%。次いで40歳代が10.3%、60歳代が8.6%と続いています。
飯田)男性に関しては、昔は「みんなタバコを吸っている」というイメージがありましたが、喫煙率の推移はいかがですか?
蓮沼)昭和40年以降のピークが昭和41年で、83.7%という記録があります。
飯田)10人いたら8人以上が吸っていた。
蓮沼)いまと逆ですね。
飯田)まったく逆ですね。50年間でどんどん減ってきたのですか?
蓮沼)50ポイント以上減少したことになっています。
飯田)海外と比べるとどうなのでしょうか?
蓮沼)日本ではまだ約1400万人が喫煙していると推定されるので、海外に比べるとまだ高い状況だと思います。
10%前後を推移する女性の喫煙率
新行)女性の喫煙率について、何か傾向のようなものはありますか?
蓮沼)女性の喫煙率は男性に比べて低いのですが、10%前後を推移しながら、横ばいからやや減少傾向です。先ほども申し上げた通り、女性全体では7.6%となります。喫煙率が最も高い年代は40歳代で、13.6%です。最低は60歳以上の5.4%となっています。
飯田)いまの方が女性の社会進出が進んで、喫煙率も高くなっているのかなと思いましたが、そうでもないのですね。昭和41年の方が高いと言えば高いのですか?
蓮沼)そうですね。
20代~30代の男性の約40%、女性の約50%が加熱式タバコを使用
飯田)みんな昔はほとんど紙巻きタバコを吸っていましたが、いまは加熱式タバコも出ています。加熱式が紙巻きよりも世の中を席巻してきている、というようなデータはありますか?
蓮沼)加熱式は喫煙者の20%以上を占めていると言われています。特に若い世代、20代~30代の男性では約40%、女性では約50%が加熱式を使用しているというデータがあります。
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飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます